布団に入ってから、タブレットやスマホを寝ながら見たいと誰しもが思います。その願望を叶えてくれるアイテムが、アーム式のタブレットスタンドです。
その中でも、最も安価で種類の多いものがフレキシブル(自在変形)アーム型です。3つほど買って使っているので、
フレキシブルアーム型タブレットスタンドの抱える問題とその解決方法について紹介します。
Amazonで買ったのは、
- Luxebell スマホ タブレット 通用スタンド フレーム アーム レイジーブラケット 1280円
- AFUNTA フレキシブルアームホルダー スタンド式 899円
- ATiC 3~10インチ スマホ タブレット用 フレキシブルアームスタンド WHITE 1239円
フレキシブルアームのタブレット(スマホ)スタンドの致命的な問題点
- タブレットが揺れて止まらない。振動してしまう。
- アームが太い鉄のハリガネなので、曲げたり伸ばしたりを繰り返すと疲労して折れる。
- iPad 対応(耐荷重が500g以上)のものは、アームが固くて思うように曲がらない。
- 固定場所が限られる。
- タブレットの固定ブラケットがすっぽ抜けたり、関節が固定できないことがある。
- 品質が悪く、ハズレが多い。
1)タブレットが揺れて止まらない
アームというのは、揺れや振動がかならず起きます。大学工学部や高専などで、アーム制御の難しさを習うと思います。ショベルカーやクレーン等のアーム機構を持つものも、その腕部分の揺れをどう制御するか? つまり、スタビライザー機構の善し悪しが、諸々の操作性能に係わってきます。
私の本業の仕事で使う道具も、アームによって任意の位置に必要な機器を持ってくる構造のものが多いので、そのアーム機構は非常に興味深いものがあります。
この手の安いアームスタンドは、鉄線(針金)に樹脂パイプを覆っただけのものと、アルミパイプのものがあります。アームを自在に曲げるので関節機構は、タブレットを固定するクリップ部分の自由関節が一つのみです。
ですから、パイプのアームをまっすぐ伸ばせば、振り子と同じで振幅幅の大きい振動になります。こんなかんじで、Uの字に曲げると振幅数が縦に小さく速く振動します。揺れではなく、振動です。
この振動を止めるのは、固定しかありません。タブレットの位置決めができたら、ダンボールの切れ端とガムテープで、橋渡しのようにして、取り付け部とタブレットの関節部を軽く固定しておくといいでしょう。
2)アーム部は、繰り返し屈曲すると疲労して折れる
千円前後で買える、こういうフレキシブルアーム式のタブレットスタンドは、3千円以上する関節アーム式のタブレットスタンドとは違って、アーム部は太い鉄の針金(ハリガネ)を樹脂パイプで覆っているか、アルミパイプでできています。
アルミは粘りがありますが、脆いです。鉄は弾性があるので、その場にきちんと止まりません。アルミも、鉄も同じ箇所を何度も曲げたり伸ばしたりすると、金属疲労で折れます。
だから、使わない時に、タブレットスタンドを伸ばして、あるいは小さく曲げて収納するということができません。
タブレットの位置を頻繁に変えたり、毎日着脱するときに、アームを折りたたんで収納する、伸ばして収納するような使い方をする場合は、関節アーム式の5千円前後の高価なタイプを買いましょう。
3)耐荷重が500gを超えるものは針金(パイプ)が太くて思うように曲げられない。
Luxebellというブランド名のスタンドです。Amazonの説明にも、「安定させるために固い」と書いてありますが、本当に固いです。妻は、これをまっすぐに伸ばすことができませんでした。握力と腕力のある女性や男性でなければ、満足に曲げることができないと思います。
固いから安定するのは間違いないでしょうけど、揺れる大きさが違うだけで、揺れるのは揺れます。
4)固定場所が限られる
千円前後の安物なので、スタンド固定部分の機構は、どれも同じです。樹脂製カバーと下の部品がネジになっていて、机等の端に挟んで固定します。
もし、ベッドなどの鉄パイプに挟もうとすると、回転しないようにジグを作って挟むか、パイプ側に別にネジ穴を開けて回転防止の突起部をつけてやる必要があります。
5)タブレットを固定するブラケットがすっぽ抜けることがある
タブレットやスマホを固定するブラケット部は、いろいろなサイズのものに対応できるように、スプリングやゴムで伸び縮みするようになっています。
さらに、関節部は、樹脂製の関節頭を樹脂のナットで締める方式です。
思った以上に、しっかりと固定できますが、何度か使っているうちに樹脂なので緩んだり、欠けたりして締められなくなったら寿命です。せいぜい、1〜2年程度使えれば良いと割切って使う事をおすすめします。
太いパイプと細いパイプの二段階になっている「ATiC の3〜10インチ対応フレキシブルアームスタンド」は、対応タブレットの数が多いです。しかし、歴代のiPad で一番重いRetina iPad (iPad 4)を付けると、なんとかつかめますが、重さにアームと関節が耐えられず決めた位置に止まりません。
iPad Air 2なら、ケース付きでつかめて、位置決めもできます。それでも、揺れる、振動してきます。
6)品質が悪く当たりハズレが大きい
数年前に、フレキシブルアーム式のタブレットスタンドを買って、ブラケットが合わないわ、充電しながら使えないわ、重さで垂れ下がっていくわで、満足に使えず、そのまま捨てたことがあります。
今回買った3種類については、数年前の品質よりは数段改良されて、良くなっていると思います。しかし、長くは使えないシロモノでしょう。千円前後なので、使い捨てだと割切るものです。
Luxebell スマホ タブレット 通用スタンド フレーム アーム レイジーブラケット 1280円
3.5インチ〜10.5インチまでのタブレットに対応し、机などの端に取り付けるクリップ部は最大で20cmの厚さまで広がります。アームの長さは80cmです。固いパイプを使っているので、非常に曲げにくいのが欠点です。固いので、Retina iPad (iPad 4)のような重いタブレットも、垂れ下がる分を考慮して位置決めをすれば、狙った位置に持ってくることができます。
揺れますが、固い針金の分、揺れ幅が小さい気がします。
これは、Nintendo Switchをつかめます。排気スリットを塞がないように取り付けましょう。横でつかんだ方が、スリットを塞がず、USB-Cケーブルもさせて、いいかもしれません。
AFUNTA フレキシブルアームホルダー スタンド式 899円
12cm〜18cmの幅のタブレットに対応するので、スマホや細身のNexus 7などは短辺側がつかめません。スペーサーのようなものを間にいれてやればつかめます。タブレットをつかむ部分には、シリコンパッドが申し訳ない程度についていて、滑り止めにはなっています。
アームの長さは70cm程度。固さは他と比べると軟かいので、派手に振動します。スタビライザーの代わりに、2〜3mのmicroB-USBケーブルをぐるぐるとらせん状に巻き付けてみましたが、効果はありませんでした。アームの適当な位置で、ダンボールかボール紙か割り箸のようなものとビニルテープで固定してやると揺れがなくなります。
机の端に固定するための、クリップ部分は、最大8cmの厚さまで対応しています。Nintendo Switchは、縦の方向には、つかめません。なにか治具をつくってやれば固定できます。Joy-Conを外して、横でつかめます。
ATiC 3~10インチ スマホ タブレット用 フレキシブルアームスタンド WHITE
アームの長さが1mなのですが、3/4あたりでパイプになっていて、曲げる固さを二段階にしているのが特長です。伸ばし気味していても、揺れがあまり大きくならないという狙いなのでしょうが、揺れるものは揺れます。
タブレットを挟むクリップ側の余裕があるので、この3つの中では、使い勝手がいいです。机の端に固定するクリップ部分は、最大8cmの厚さに対応しています。
これも、Nintendo Switchの縦の幅に合わないので、固定できません。治具を作ってやれば固定できます。Joy-Conを外して横で挟むのはOKです。
スマホスタンドの揺れや振動を抑える方法
1m弱のハリガネやパイプの先にタブレットが付いているので、揺れます。コイル状に巻くと振幅が小さくなって振動します。コレを押さえるためには、アーム部分の揺れを押さえるか、先につけているタブレットへ揺れを防止するための工夫が必要です。
こういったかんじで、振動するアームには、ビニルテープなどで緩く連結してやれば揺れはすぐに収まります。タブレットに充電用のケーブル(microB-USB、Lightning)をつけていれば、それをうまく引き回して、固定してやれば動きが止まります。
まとめ
Fire HD 8などのプライムビデオを夜寝ながら見たいと思ったので、この年末年始に買って試していました。最近のフレキシブルアーム タブレット スタンドは改良されていて、品質もまぁまぁで、そこそこ使えます。
2017年3月3日に発売されたNintendo Switchをアームでささえて、寝っ転がったままでゼルダの伝説をプレイすることが可能になります。ただし、Nintendo Switchの縦幅が、約10cmと小さめなので、タブレット用のブラケットでは固定できないものが多いと思います。しっかりと固定できるジグを別に作って一緒に固定する工夫をしましょう。
位置決めを頻繁に変えたり、使わない時はアームを折りたたんで収納したいという使い方では、こういう金属の棒やパイプがアームであるタイプは、金属疲労を起こしてすぐに折れてしまうので、関節があるアームタイプの高い5千円前後のものを買う必要があります。
十代から二十代にかけて、タブレットを片手に、もう一方の手を使って自家発電をする男の子が、こういうタブレットアームを使うと思います。アーム自体が振動しやすいので、安定させるために固定する方法を工夫しましょう。右手の振動に共振して、タブレットがブンブンと上下に振動して、動画や写真を凝視できないということになります。
揺れるので、スマホやタブレットのカメラの三脚としては使えません。
折りたたみ式のアームについてのレビューはこちらで紹介「関節&アーム型スマホスタンドでNintendo Switchを使う」。
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