ブログネタとして、家庭菜園のネタは尽きないので、人気があります。書店にいっても、関連書籍が豊富に出そろい、ホームセンターにいっても、家庭菜園用の苗が大量に出ていて、誰でも簡単に始められる環境が、そろっています。

 さらに、戦後はじめてのマイナス金利になったため銀行の住宅ローンも金利が過去最低です。そのおかげで、この辺も新築ラッシュです。一戸建ての家に住んで、やってみたいことの一つが、家庭菜園だと思います。

 そんな、

一戸建てを買って喜んでいる若いお父さんやお母さんの夢と希望を打ち砕く、家庭菜園のデメリットを紹介していきたい

と思います。

草ボウボウ

 梅雨明けには、暑い日中を避けて、朝と夕方、蚊に悩まされつつ、草ボウボウになった畑の草むしりをします。

家庭菜園の利点(メリット)として言われていることの嘘を指摘します。

家の敷地内に野菜があるという安心感や充実感を味わえる?

自宅の庭に野菜や果物など食べ物がなっているというのは、幸せなことだと思います。でも現実は、食べられる野菜ができる期間は短いので、一年中、畑に行けば野菜があるというわけにはいきません。

収入が無くなっても畑にあるものだけを食べて生きていける

 人間が生きていく上で、必要なエネルギー元として、お米と芋などの炭水化物を豊富に含んだ穀物や芋類が必要です。一家5人と想定して、大人2人、育ち盛りの子供3人が一年を通して食べるだけの収穫量を得られる土地は、3〜4百坪は必要になります。今は、田舎の地価はタダ同然なので、千坪単位で売買されますが、千坪単位の土地になってくると別次元の手間とコストがかかることをあとで詳述します。

道具や薬なしでは農作物は作れない。

摘果鋏とケース

 畑仕事をするためには、クワ剪定バサミなどの道具、支えるための添え木、防虫ネット、防獣ネット、殺虫剤などの農薬、肥料等、さらに、規模を広げようとすると耕耘機などの管理機が必要になります。すべて、お金のかかるものばかりです。我が家も、過去5年程度の中期的なスパンで採算性をみていますが、道楽レベルの採算割れが続いています。

 この辺は、実際にやってみないと分からないと思います。

収穫時期が露地物野菜と同じで、大量にできて食べきれずに捨てる。

 ナスは冷凍することで保存できますから、大量に採れても問題が無くなりました。トマトも冷凍にしておいて、冬場に解凍してトマトピューレとして使います。キュウリについては、冷凍しても解凍後に使えないんです。

野菜の収穫

 キュウリの収穫のピークがくると、一日で10本くらい採れるようになるので、食べきれなくなります。そこで、収穫のピークがずれるように、5本ずつ小分けで植えていきます。成長の時期をずらすために、それに見合った苗を買ってきたり、自分で種を植えて苗を作ったり、工夫をしています。

野菜や果物は、気象、天候によって収穫量が大きく変化します。

 台風や爆弾低気圧による風害で畑が全滅なんてことは、我が家も何度も経験してきています。 

日照りによる干ばつや、日照不足による冷害もよくあります。それは、我々の家庭菜園の畑も例外ではありません。商業ベースのプロの農家が育てる野菜ですら育たない気象状況で、素人が育てる野菜が豊作になるなんて、どう考えても無理です。

 台風や気象異常で収穫高が減って、スーパーや道の駅等で野菜の値段が高くなっても、頼みになるはずだった我が家の畑も早々に全滅! なんてことは良くあることです。

 Netatmoよる外気温の最高、最低気温と雨量などを年単位で毎日記録は、野菜の生育についてのデータの分析に役に立っています。 

家庭菜園でも連作障害が起きる

 家庭菜園を始めた数年は、収穫量も多く、成功を収めることができると思います。しかし、数年経ってくると、徐々に連作障害による育成不良な野菜が増えてきます。だから、あえて、プランターや土嚢袋に土を入れて育てるというプロの農家も多いんですよ。
トマトの青枯れ病

 とくに、夏野菜の代表各である、ピーマン、トマト、ナスは全てナス科の植物なので、青枯れ病のようなウイルスが土中に蔓延し始めると、数年間はその場所(土)で、ナス科の野菜を育てることができません

夏場の水が足りない。

 外気温が35度を超える猛暑日になる頃、ナスやピーマンなどの水が必要な野菜には、1本当たり5リットルの水が必要です。あとは計算してください。その水、朝晩3リットル/本ずつ水をやれるだけの水をどこから確保しますか? 水道水? 水道代が安い地域なら良いでしょうが…。

 ちなみに、我が家にも、井戸があります。毎日、最大で300リットルの水がくみ出せます。 この井戸水があるから、畑が続けられるんです。
 井戸を掘らないのであれば、

  • 雨水を溜めるタンクを地中に埋める
  • 黄色い水のタンクを庭の一角に置いて、風呂水や雨水などを濾して貯める
ようにしておくと良いでしょう。

子供の教育に家庭菜園は有効

 自分で野菜を育てて食べるということを学ぶということは、良い教材になります。家庭での野菜作りを子供と一緒にやっていく上で、特に教えなければならないのが「優生思想」です。

 種を植えて、育ちの悪い芽は抜きます。これを「間引き」と言います。出来の悪い個体は排除する。これは、生物が進化して繁栄していく上で、絶対不可欠な「選択」であるということを、実体験から学ばせなければなりません。

 ほんの70年ほど前まで、日本でも人間の「間引き」も、当たり前のように行われていました。その結果、強く健康で優秀な人間だけが生き残り、活躍し、今の日本という国を繁栄させることができたのです。今、無駄に長生きしている老人達は、戦前戦後の混乱期に、生き残りの競争に勝てた人であることを忘れないようにしましょう。

自分で作った野菜が甘くない、味がしないのが普通です。

 美味しい野菜なんて、簡単に作れません。単にみずみずしい野菜は作れますが、美味しい野菜は簡単にできません。偶然の産物なんて、そんなラッキーなことは滅多に起きません。実際にやってみれば、分かりますよ。

 近所の農家の人が、出荷できないトマトをくれます。その味と、我が家のトマトの味を比べると、農家のトマトの方が味があるし甘い。なぜなのか? 教えてくれません(笑)。そりゃ、企業秘密ですもんね。

 出荷して、お客さんに買ってもらうためには、美味しくなければなりません。そのための工夫は、我々素人が知り得ない情報だったり、ノウハウだったりするんです。

 それを、独自に研究して追いつくように努力する… って、それ相当な手間(時間)がかかります。
 ちなみに、あなたは、中学、高校、大学時代、日々の勉強と努力を厭(いと)わず、成果をあげることができましたか? 就職して、仕事を覚え、実績を積み上げてきましたか? そして、今、日々稼ぐために働いている仕事や子育て、家事、ブログ書きの合間に、家庭菜園のための手間をかけられる時間がありますか? ってことです。

病気と害虫、害獣の駆除に終われる日々

 家庭菜園での一番の悩みになるでしょう。私も、毎年害虫と病気対策で、家庭菜園を止めようと何度も思います。

レタスとサラダ菜トマトの害虫カラスによる食害

 野菜にわく虫、害虫の傾向と対策は、殺虫剤メーカのサイトなどで情報が手に入りますので、昔ほど、困ることはありません。

 ネズミ、カラス、ヌートリア、狸、イノシシ、鹿… 猿、熊? 地域によっては、より大型の害獣との対決が必要になってきます。駆除する動物の生理学的、解剖学的知識がないと、対抗策が思い浮かびません。今はネットがあるので、そういったノウハウを持つ人の情報を断片的に手に入れることができるので、それをヒントにいろいろと施策が打ち出せます。良い時代になりました。

 殺虫剤については、私も現在、いろいろと試しているので、折を見てブログの記事にしていきたいと思っています。

3月〜10月まで、一週間ほど家を空けるような(海外)旅行ができない

 親の介護を抱えるようになると、一週間も家を空けるような旅行はできなくなります。まだ親が若くて元気な時は、親に家のこと(家庭菜園の世話も)は任せて、夫婦と子供でディズニーやハワイなどへ買い物旅行をすることができました。ところが、徐々に親が弱って介護が必要になるほど弱ってくると、家庭菜園も親ができなくなってしまいます。それで、親(老人) の世話と家庭菜園や家の周りの掃除や草むしりまでも、我々がやるようになります。

 特に、ゴールデンウイークは家庭菜園の植え付けのために、もっとも忙しい時期になるので、絶対に海外へ行けません。お盆の前後は、秋に向けて畑の作付けの整理があるので、炎天下を避けて、朝晩での作業になりますから、これまた海外や避暑で北海道へ遊びに… なんて事もできないんです。

数千坪の畑と田と住宅付きの土地を買うリスク

 この辺でも、Iターンの若い家族が移住してきています。彼らが、数ヘクタールの山と畑や田を持つ家を二束三文で買い付け、さっそく住み始めて、一番につまずくことがあります。それは、敷地内の草刈り、畑の管理です。そもそも、そういう管理ができないから、相続もできないので、二束三文で売っているんですけどね(笑)。

 自分の持っている(管理する)土地が広ければ広いほど大変になります。これが、どれだけキツいか? は、過去にも少し書いているけど、まぁ、この梅雨明けの草ボウボウの土地を眺めて、草刈り機のチップソーを新品に交換して… って、準備をしつつ、ため息しか出ませんよ。
チップソー
 草刈りのチップソーは、石にぶつけてかけたり、折れたりしなくても、細い竹が生えているようなところを刈るだけで、すぐに切れなくなってしまう。軟かい草でさえも、撫でるだけになったら、草刈りの時間とガソリンだけを使うことになるので、交換して使わなくてはなりません。
 草刈り機も、ピンキリで、昔から定評のあるブランドメーカーの軽くて良い物は5万円以上します。チップソーは、500円〜、ワンサイズ径の大きいモノを使うとか、刃である炭素鋼のチップが大きく、鑞着部の品質が良いモノは3〜4千円します。研ぎ機も、1万円じゃ買えませんよ。
やれやれ。

 草刈りで、体中の筋肉が痛いお父さん、お母さんにお勧めのドリンクはこちらを参照