家庭菜園や、農作業でハサミやラジオペンチなどをよく使う。腰にベルトを巻いて、そこに、道具や携帯蚊取り線香を付けて使っている人が多いと思う。今まで使ってきたのが、なにかと不都合なので、ワンタッチのベルトの安いヤツを買ってきたので紹介したい。

ワンタッチバックルの作業ベルトとペンチ用ケースにハサミを挿すのがおすすめ。

ワンタッチ作業ベルトと工具ケース

 カインズで安く買えたものの、幅がもう少し小さい(1.5インチ)ものが欲しかった。かといって、2インチ(51mm)とか、「着物の帯じゃあるメェし」みたいなことになる。

ワンタッチバックル 作業用ベルトとツールケース装着

 ワンタッチバックルのおかげで、簡単に着脱できるようになった。これを発明した人は、エライと思うよ。

 腰のサイズは、誰にでも会うように長めになっているので、ウエストの細い人は、折り曲げるベルト部分の長さが長くなるから装着感が悪いかも知れない。

剪定鋏とケース 剪定鋏をケースに

摘果鋏(てきかばさみ:園芸用のハサミ)を腰にさすだけでも、作業効率が圧倒的に良くなる。

 コレ無しでは、畑仕事はできないっていうくらいのもの。ってか、これは、鍬と同じで、標準装備のアイテム。

摘果バサミとフォルダー 摘果バサミとラジオペンチ

 園芸鋏(摘果はさみ)は、柄のリング(閉じたままで固定するゴムリング)をしなくても、ホルダーにさせるようにしておくと、めちゃくちゃ便利だ。ペンチケース、ペンチホルダー、ペンチサックと呼ばれるもので、摘果バサミを挿して使える。

 摘果バサミを挿しても、先が飛び出てこないホルダーにしておくのがポイントだ。

 ラジオペンチは、100均で売られているものに防さびのためにシリコンスプレーをかけて使う。支柱をガッチリと固定しているハウスバンドの結び目を緩める時に、ラジオペンチが役に立つ。

※ラジペンの先はヤスリで丸く仕上げておくと、ハウスバンドを傷めずに緩めることができる。 

 支柱に誘引するための紐も、よく使う長さに切って、フォルダーのゴムの網なところに引っかけておくと、便利だ。ちなみに、我が家の家庭菜園では、木綿の肌着の切れ端を短冊状に切断して紐にしている。

 台風並みの風が頻繁に吹く地域なので、支柱の固定はハウスバンド、誘引用の紐は幅広で伸縮性のある綿の古着を紐状に切って使う人が多い。

 ※ハウスバンドを切るのには、100均のニッパーがおすすめ。 摘果バサミでハウスバンドを切ると、すぐに刃が歪んで切れにくくなる。

作業用ベルトに、ぶら下げるための紐とカラビラを付ける。

ベルトにカラビラ

 家庭菜園のレベルでは、狭小な場所や高所でひっかかる事故が起きないので、自由に腰にぶら下げれば良い。カラビラには、携帯用蚊取り線香Bluetoothのスピーカや携帯ラジオをぶら下げる。紐の巻いたやつとか、ゴミをいれるポリ袋を引っかけても良い。

摘果バサミ(園芸用ハサミ)は、日本製でも安い。

摘果バサミ

 園芸用の鋏(ハサミ)は、バネが付いているものが主流だ。中華のパチモンは、100均の園芸コーナくらいでしかなく、家庭菜園をする人は、日本の小さな町工場が作っているハサミを買う。

 岡垣、近正等、数多くの町工場のメーカー・ブランドがあり、価格も千円前後と、日本で作られているのに、ボッタクリ価格でもない。安いので、いろいろ買って、自分の手に馴染む、大きさ、刃先、バネの強さ等を試して、そのブランドを指名するのも一興だ。

 ホームセンターよりも、Amazonの方が品揃えが豊富で、価格も農協直営店より安い。

 ただ、これは消耗品で、菜園の規模にもよるが、出荷するような規模の農家では、2,3年の寿命だという。

 先が尖っているので、ポケットにいれて持ち運ぶものではない。必ず、腰のベルトにケースをつけて、それに挿して、携帯しよう。

摘果バサミの消毒

 6月頃から、ナス科の野菜に連作障害の一つ、青枯れ病が感染することがある。青枯れ病のトマトなどを切った摘果バサミを介して、他の非感染の株に感染していく。そこで、病気でダメになった株を切った摘果バサミは、フォルダーにもいれないようにして、速やかに洗浄と消毒をすることをおすすめしたい。

 いろいろな消毒方法があるが、

  • 90度程度の熱湯で刃を洗ったあと、防さびスプレーやシリコンスプレーをしておく。
  • お湯で刃を洗ったあと、ワセリンを塗り、ヒーティングガンで100〜150度の温風で温めて、溶けたワセリンを火傷をしないように紙ワイプで拭き取る。 熱でグリップのシリコンカバーが溶けたり、剥がれたりするので、熱の扱いには注意すること。
  • 170度の油で刃先を揚げる(ネタ)→ 実際にオイル滅菌器ってのが医療用である。
  • バーナーで火炎焼灼は、炭素鋼の刃をなまくらにするので、絶対にダメ。
  • アルコール含有のぬれティッシュで拭く程度では、カビやウイルスには無効だけど、刃を綺麗にはできる。
  • フォルダーを滅菌するのは、EOガス滅菌、ホルムアルデヒドガス滅菌等が有効だけど、取り扱い管理者と設備がアレなので非現実的。
  • フォルダーなどの非金属系製品は、次亜塩素酸系漂白剤(キッチンハイター)を濃いめに水で希釈して20分ほど浸漬しておけば、ほとんどの微生物は不活性化できる。しかし、色落ち、生地が傷む、縫製の糸が溶ける等、ダメージが大きい。革製品は、薬液による消毒は難しいので諦めるか、グルタラール製剤などが入手できる医療関係者なら、それに浸漬しても良い。
  • 病気を疑う株用の摘果バサミと、通常用のハサミを二丁腰にさすのもあり。
  • 毎日、摘果作業が終わったら、ハサミは刃先を熱湯で洗い、注油しておくことで、病気の蔓延を防ぐことができる。