ラトックシステムのWi-Fi SDカードリーダ&ライターの最新モデル REX-WIFISD2を買ったので、レビューする。

 結論から言うと、

REX-WIFISD2は、Wi-Fiの5GHzとUSB3.0対応でデータ転送は速くなったので順当な進化と評価できるが、バッテリーの持ちが悪い。

 願わくば、REX-WIFISD1と同じ筐体で5GHzにして欲しかった。この厚さのボディなら、もう一回り大きくても良いから、SIMフリーのWi-Fiルーター機能があったら面白かったかもしれない。
 やっぱり気になるのが、バッテリーの持ちの悪さだ。もっと使い込んでバッテリーの充放電を繰り返せば、もう少し長く持つようになるかも知れない。SDカードで2時間半しかストリーミングできないのは厳しい。取説のスペック表にも3時間半と書かれているので、ウソではないようだ。

REX-WIFISD2の外観、各ポートの概説とフォトレビュー

REX-WIFISD2

REX-WIFISD2本体と、microUSB3.0のケーブルと保証書、取説、5GHz帯のWi-Fiの注意書き
の3枚。

REX-WIFISD2のUSB3.0ケーブル

今回から、USB3.0に対応のため、ケーブルコネクタの形状がmicroB-USB3.0タイプが付属していることに留意しよう。

5GHz能書き

それから、IEEE 802.11 ac / a / nの5GHz帯のWi-Fiを使うことからの注意書き。屋外で使用できる周波数帯を使っているんだけどレーダー波と同じ周波数だから気を付けてねみたいなことが書いてある。
 5GHz帯は、レーダー波がないか? 1分以上受信してから送信をする仕組みにしないと認可が下りない。だから、国内正規に販売されるWi-Fi機器で、5GHz帯のWi-FiのSSIDが表示されるのが、2GHz帯のSSIDより遅れてでてくるのは、仕様だ。

REX-WIFISD2-4 REXシリーズ

 REX-WIFISD2のサイズは、歴代のREXシリーズの中でもWIFIUSB2に近い印象を受けるが、ACアダプタを内蔵してないので軽い。NFCに対応したスマホをNのマークにかざすと、このREX-WIFISD2にアクセスできるように自動で合わせてくれる。

REX-WIFISD2-5

 裏側には、QRコードと、アクセスするために、2.4GHz帯と5GHz帯ぞれぞれのWi-FiのSSIDとパスワード(暗号キー)とREX-WIFISD2本体にアクセスするためのパスワードが印刷して貼ってある。これらを見えなくする意味でも、取説のLEDの点灯表をコピーして、剥がせる程度の粘着度をした両面テープで軽く貼り付けておくと良いだろう。

REX-FiしSD2-3

 スロットは、SDカード。microSDカードならアダプタを使えば良い。PC(Mac)とつなぐのは、USB3.0ケーブルで接続ができるようになり、高速な転送が可能になった。

rex-wifisd2-usb

 microB-3.0タイプのUSBケーブルが付いてくるんだけど、固いUSB3.0ケーブルを持ちかなくても、日頃使っているUSB2.0のmicroB-USBケーブルでもデータ通信や充電ができる。

REX-WIFISD2-2

 USB2.0には、HDDをつなぐことができる。2TBまで、FATとWindows のNTFSフォーマットをサポートしている。ただし、MacのHFS+には対応していない。後述する。
 このUSB2.0ポートは、5V/1Aまで電流が供給できるので、500GB程度のポータブルHDDならバスパワーで使えるのは、他のREXシリーズと同じ。

 LANポートもあるので、出先の(ビジネス)ホテルで有線LANポートが部屋にあれば、LANケーブルをつないで起動することで、Wi-Fi基地として使えるようになる。

iPad Air 2(iOS)とREX-WIFISD2をIEEE802.11ac(5GHz)で接続する。

iPad0

iPad Air 2のWi-Fiをみると、REX-WIFISD2の2GHz側のSSIDが表示されているので、とりあえず、接続してみる。

ipad1

REX-WIFISD2の裏面に書かれているWi-Fiパスワードを入力。

iPad2 iPad3

つながった。DHCPサーバからIPアドレスは自動割り振りで当てられていることを確認すると、10.10.10.1〜 とREXシリーズと同じようになっていることを確認した。

同じように、IEEE802.11acの5GHzのSSIDにもつないでテストしてみる。

iPad5

とくに、従来の2GHzとも差がないように感じるので、IEEE802.11acに対応しているスマホやタブレットは、2GHzのSSIDは登録せず、5GHzだけに接続する方が良いだろう。

 ラトックシステムが用意しているWiDrawer2というクライアントアプリについては、取説に書かれているので省略する。

ここでは、

ファイラー&プレイヤーであるnPlyaer旧版を使ってみる。

nplayer設定

 最新VerのnPlayerは、Verアップに課金を要求するわりに使い勝手が大きく変わったので、旧版をVerアップせずに使っている。セットアップは、REXシリーズなので、おなじようにする。

iPad-Air-2&REX-WIFISD2

 まったく問題なく使えている。

GoodReaderでファイルを転送してみる。

GoodReader

使い方は、いつも通りで、ローカルサーバを探して、WIFISD2がでてくるので、ログインすると使えるようになる。4GBのTSファイルをGoodReaderでダウンロード&アップロードした時間を計ってみると…。

GoodReader1

アップロード、ダウンロードともに、平均4.5MB/秒と、5GHzだからといって、特段速いわけではない。これは、PA-WG2600HPとiPad Air 2、iPod touch 6間でファイルの転送テストをしても、ほぼ同じ速度になるので、iOSのデバイスはIEEE802.11acと言っても、この程度のものと認識している。

Android系でIEEE802.11acに接続出来るFire HD 8(Kindle)をREX-WIFISD2につないでみる。

 Fire HD(Kindle)、Nexus 7のAndroidには、それぞれ純正のWiDrawer2アプリが用意されているんだけど、それは説明書を読めば分かるので、省略。

 Nexus 7も5GHz帯のWi-Fiに対応しているが、11acには対応していない。そこで、同じAndroid系のFire OSであるFire HD 8を使って、テストをしてみる

Fire-HD-8 Fire-HD-8-1

iOSと同じように、5GHzのSSIDを選択し、Wi-Fiパスワードを入れて接続する。

Fire-HD-8-3

 Kindleのタブレットは、インターネットにつながってAmazonのサーバにつながらないと、Wi-Fiの扇のところに「!」が付いて、インターネットにつながっていないよ と教えてくれる。

この場合、REX-WIFISD2にWi-Fiでつながっているけど、REX-WIFISD2はブリッジモードでインターネットにつないでいないので、これで良い。

EFE0 EFE1

ES File Explorerでログインする。この辺は、他のWi-Fi SDカードリーダーと同じ扱いで良い。

EFE2

 ES File Explorerを使い、microSDカードへの書き込みで、6MB/秒、内蔵フラッシュメモリ側で7MB/秒前後と、iPad Air 2より高速で転送できている事が分かった。Fire HD 8にはmicroSDカードを挿せるので、こういったWi-Fiストレージデバイスは、いらない。
 microSDカードを搭載したAndroidスマホやタブレット自体がモバイルNASとして使えるし、バカでもつかえるiOSデバイス(アイポン、あいぱっど)のユーザは、こういうWi-Fiストレージデバイスを使いこなせるほどのスキルを持っている人が少ない。
 Fire-HD-8&REX-WIFISD2 2台同時見可能
 いつも通り、ES File ExplorerとMX Playerで素のTSファイルを見てみるも、特に問題なし。iPad Air 2とFire HD 8と同時に別々のTSファイルを見ることは他のWi-Fi SDカードリーダーでは厳しかったが、REX-WIFISD2なら2台までは、まったく問題なく使える。3台目からは怪しくなってくるが、外付けの2.5インチHDDからの転送なら、3台ですら楽勝だ。
TSファイル再生3台
 iPad Air 2、Retina iPad (iPad 4)、Fire HD 8の三台で、SDカードにいれた素のTSファイルを同時に再生してみる。さすがに、スライドバーをスクラブして即、再生開始というわけにはいかない。それでも、すべてカクツクことなく再生できている。ちなみに、Retina iPad (iPad 4)は、11acには対応せず、なぜか5GHzのSSIDが表示されないので、2.4GHzのSSIDにつないでいる。

 ただし、三台で動画をぞれぞれ見ていたら、バッテリーが二時間持たない。ポータブルHDDを繋げば、1時間半持てばラッキーとくらいに覚悟しておいた方が良い。

REX-WIFISD2も、2.5インチのポータブルHDDとSDカードの両方同時にアクセスできる。

REX-WIFISD2&HDD
 先にも述べたとおり、ポータブルHDDもバスパワーで動かすことが可能だ。ただし、USBのポートからの電流供給は1Aということなので、1TBの2.5インチのHDDだとセルフ・バスパワーかY字USB電源ケーブルを介するとかでないと安定しないかもしれない。手持ちの350GB、1TBのHDDはバスパワーだけで動いた。
 SDカード、USBにつないだHDDやフラッシュメモリは、同時にマウントできるし、抜き差しも問題なくできる。ただし、対応フォーマットはFAT、exFAT、NTFSに対応しているが、MacのHFSやHFS+には対応していない。といっても、MacにつなぐポータブルHDDは互換性を重視してexFATでのフォーマットをしているから、特に問題は起きないだろう。
 HDDの駆動で電流を余分に食うため、バッテリー切れが近いことを知らせる赤いLEDがすぐに点灯する。
 REX-WIFISD2は高速で快適なモバイルNASとして使えるので、出先で、あたかも我が家のWi-Fi環境でNASを使っているような気分になれるのは良いんだけどねぇ…。

5GHz帯のWi-Fiは車載時で問題が起きるのか? → No Problem(問題なし)

 帰省などで、車載したiPod touch 6やFire HD 8、iPad Air 2への動画供給をREX-WIFISD2でテストしている。
 あえて、2GHz帯のSSIDは登録せず、5GHzのみでやってみたが、1度つないでしまえば安定して使える事が分かった。REX-WIFISD2は、Ankerの2ポートターボ・カーチャージャーにつないで充電をしながらでの使用だ。発熱は表面温度が35度くらいまで上がるので、空冷は配慮した方が良いだろう。

インターネットブリッジ機能は、2GHz側でしかネットにつながらない。

WIFISD2-インターネット
 REX-WIFISD2のWi-Fiは5GHz帯も使える。しかし、インターネット回線のWi-FiにつなぐブリッジモードではネットにつながるWi-Fi(テザリングのスマホ等)側は2GHzの方でしか、つながらない。
 それに、MACアドレスが表記されているものと違うみたいで、MACアドレスフィルタリングをすると、なぜか接続できない。Wi-Fiルータ側で検知するMACアドレスも、WIFISD2に表示されているMACアドレスと一部が違うという状況だ。二重のMACアドレスがあるんだろうけど…。
 高速なWi-Fiを搭載しているが故に、もったいない。アップデートに期待したい。

有線LANでつなぐ。


 
設定項目について

スマホへの充電テスト

充電テスト

Wi-Fi基地について
モバイルNASとしてのテスト


いつも通りの順次、修正、追補していく。