スマホやタブレットを車のカーステレオやカーナビにつなぐ方法には、
  1. 有線(アナログオーディオケーブル)でカーステにつなぐ →(扱いやすく音も良い)
  2. Bluetoothという無線(ワイヤレス)でカーステにつなぐ → (音が悪かったり、音飛びする)
  3. アナログやLightningケーブルでつなぐFMトランスミッター → (FMラジオに音声電波を飛ばす)で、カーラジオのFMで聴く) → (ラジオなので雑音が混じって音が悪い)
  4. BluetoothでつなぐFMトランスミッターでFMのカーラジオで聞く →(音飛びと雑音が混じるので最悪)
  5. カーナビ専用のUSBケーブルでつなぐ →(音は良いがケーブルが高い)
の5種類がある。
 今回は、1)のアナログ音声の有線、AUXケーブルでつなぎ、iPhone(iPod touch、iPad)は充電する方法を紹介する。

 シガーソケット(カープラグ、アクセサリーソケット)に挿して、LightningコネクターをもつiOSデバイス (iPhone、iPad、iPod touch 6)をカーステレオにつなぐAUXケーブル、LogitecのLHC-AC102を買ってみたのでレビューする。
 なお、「iPod をナビにする方法」でこのページに飛んできている人がいるので、一言解説しておく「iPod touch には、GPS、コンパスがないのでナビにはできない。ただし、マップの表示だけなら、携帯データ通信(3GやLTE)をスマホのテザリングを使ってやればできる。ってか、そのテザリングできるスマホ自身でナビにしろってことなんだけどね。

LHC-AC102

 結論から言うと、

DC-DCコンバータからのノイズが少なくて、Wi-Fiやラジオに影響が少ないのでオススメだ。

以下、レビューしていく。

Amazonで売られているカーステレオ(カーナビ)につなぐ、ライトニング・AUXケーブル(Lightning-AUXシガーソケットケーブル)は2種類しか確認できていない。

ミラリードのが1450とロジテックのLHC-AC102は、どちらも、
  1. 車のシガーソケットに挿して
  2. LightningケーブルでiPhoneやiPod touch 6接続し、
  3. iPhoneやiPod touch 6を充電しつつ
  4. 音声は、AUXケーブル(アナログ・ステレオ音声)のステレオミニプラグでカーナビやカーステレオにつなぐことのできる
ものだ。

LHC-AC102は、Apple Inc.のiPhoneなどをカーステレオにつなぐLightningケーブル→AUXケーブルである。

 ロジテックダイレクトの処分市で、Bluetoothのヘッドセットとか500円で何個も買ったりしているのでアレだけど、さすがに、このAUXケーブルは安売りにならないか(笑)。

LHC-AC102裏

 取説は箱の裏に付いている。AUXケーブル、Lightningケーブルは分岐部で分岐する構造で、GA-1450のようにAUXケーブルは自分で好みに替えるというわけにはいかない。

LHC-AC102ケーブル概要

 シガーソケットにDC-DCコンバータが内蔵、ケーブルは分岐部で分岐する。AUXケーブルにノイズフィルターが付いているのが、このLHC-AC102の特徴だ。

LHC-AC102コネクタ

 3.5mm径のステレオミニプラグは、薄い金メッキ。LightningコネクタもApple 認証品(MFi)ということで、精度も良さげで、粗悪なものではない。ケーブルもそれなりに太くしっかりした樹脂で被覆され、コネクタ接続部に亀裂やバリなど粗造な作りでもなく、好感が持てる。

LHC-AC102のケーブルの長さに注意!

LHC-AC102ケーブル分岐まで LHC-AC102分岐コネクタまで
 シガーソケットから分岐部までが30cm、分岐部からAUXオーディオケーブルが45cm、Lightningケーブルが51cmとなっているので、各自、自分の車のシガーソケットの位置、センターコンソールのカーオーディオのAUXのジャックまでの距離、iPod touch 6、iPhoneを置く位置を測っておかないと、あ、足りない!ってことになる。

車載する前に、ワシの書斎の電子工作コーナでLHC-AC102をテストする。

 車はノイズの塊なので、比較的ノイズの少ない書斎や工作室での事前テストで評価をしておくべきである。

 車のオーディオで常に悩まされるのが、ノイズである。

ノイズには2種類あって、
  1. 音声への聞こえるノイズ。
  2. DC-DCコンバータから発生する高周波ノイズ。
がある。

 ワシが車載のDC-DCコンバーターを含むグッズを検証するときに、ラジオを使ってノイズの有無を簡易的に調べている。実はラジオや無線の周波数帯域の電波状況を調べるDSA-815TGという中華のスペアナを持っているんだけど、高周波用の安定した同軸ケーブルやアンテナを作るのがヘタクソで、うまく使いこなせていない。徐々に慣れてきたら、テストやラジオの作成時の調整で使いこなしていきたい。

まずは電源を確保。

4v

菊水の実験用電源、18V 5Aの90Wの直流電源だ。FANレスなので机の上に置ける。新品で買ったが意外と高い(笑) これで、ワシのプリウスの電圧、14.4Vに設定。

iPod touch 6をLHC-AC102に繋ぎ電源をいれて充電、音声の出力テストをする。

LHC-AC102接続テスト

 iPod touch 6を繋ぎ、充電出来ていることを画面右上の電池のアイコンで確認。

LHC-AC102電流電圧

 全体の電流は、14.4V / 0.41Aと6W弱。iPod touch 6の充電状態にもよるが、0.3〜0.4Aで推移している。

 iPod touch 6のミュージックでJazzを聞いてみる。AUXケーブルからの音声は、電流帰還ヘッドホンアンプを介してヘッドホンで聴く。

 GA-1450の時にも書いたが、電流帰還(電力)アンプはノイズを拾いやすく発振しやすいので、ノイズを聞くのには適している

 iPod touch 6のミュージックの再生を止めて、音声なしでノイズが乗っていないか?ヘッドホンアンプのボリュームを上げて聞く。ありがちなブーンというコモンノイズやシャーというホワイトノイズは聞こえない。

 Lightningケーブルから音声を出す場合、iOSデバイス(iPod touch 6やiPhone等)側のミュージックやメディアプレイヤーから音量の調整はできない。MAXの音声がAUXで出ていて、それをカーステレオ側のボリュームで可変する。

カーステレオで、iPod touch 6やiPhone、他Androidスマホの歌(音)が小さいのはなぜ?

 最近のスマホやiPhone等も耳を痛めないように、イヤホン端子からの出力は小さくしか出せないようになっている。そのためのスマホに内蔵されるアンプも出力が小さい。しかし、Lightningケーブル接続のアナログ音声は最大の〜400mVがでているのに、音が小さいと言う人がいる。
 この原因は、3つ。
  1. ケーブルがしっかりと刺さっていない、接続されていない。ケーブルが不良。
  2. そもそも、車内で聴きたい音楽、動画等ソースの音声が元々小さい。
  3. カーステレオのAUX入力ポートに、アッテネーター(減衰器)が入っているから。
 3)のアッテネーターというのは、ノイズやガリ音、突発的な電流からカーステレオのアンプを守るために付いている。こういう減衰器は信号を小さく、つまり音を小さくするものだからね。

 カーオーディオのアクセサリを紹介してアフィを稼ぐブロガの記事がGoogleの上位に並んでいるんだが、こういう肝心なことを説明できない程度の知識しか無いのにねぇ。嘆かわしい。

LHC-AC102のDC-DCコンバータから出る高周波ノイズは少ない。

LHC-AC102ノイズAM

 ICF-7600GRで、まずはローカルのAM局を受信してみる。シガーソケット部のDC-DCコンバータに近づけてた状態で、ノイズが入りつつも受信できるのは驚きだ。

LHC-AC102ノイズFM

 次に、ローカルのFM局を受信しながら、電源のオンオフで、FM局の聞こえる状況を確認。多少ノイズは入るものの、全く聞こえないというレベルのノイズではないことを確認。

LHC-AC102Wi-Fi

 次に、Wi-Fiの2.4GHzの11g、5GHzの11acに影響がないかテスト。PA-WG2600HP経由で、PC録画機の素のTSファイルをnPlayerでストリーミング再生テスト。高速なWi-Fiの転送が無いと、滑らかに再生できないが? うん!できる。
 Wi-Fiの周波数帯域にも、影響がでるほどのノイズがでていないようだ。

 これで、安心して、Wi-Fiストレージデバイスにいろいろ入れて、iPod touch 6で車載プレイヤーとして活用できる。


車載のシガーソケット拡張4連のケーブルを短くして改良する。