BOSCH(ボッシュ)10.8Vバッテリーセーバーソー「GSA10.8V-LI」とBOSCH(ボッシュ)木材&金属用セーバーソーブレード2本組「S922HF/2G」を買った。さっそく、使い倒しているのでレポートする。
電動鋸のカテゴリーの中で、
- 電動丸鋸:モーターの回転軸にそのまま丸鋸の刃を付ける。
- トリマー(ルーター):ルータービットというドリルの先で穴や溝を掘ったり、削って切る。
- レシプロソー:モータの回転を往復運動に変換、レシプロエンジンの逆の動作原理でノコの刃(ブレード)を動かす。 ← このGSA10.8V-Li
回転丸刃の電動ノコギリは怖いけど、往復運動のレシプロソーは怖くない。
バッテリーセイバーソー(電動レシプロソー)GSA10.8Vの用途とは?
バッテリーセーバーソー GSA10.8Vの用途は、大きく分けて3つ。- 家具や大きな家財道具をゴミに出すのにぶった切って小さくする。
- 壁の石膏ボードを切り開く。
- 庭木の小ぶりの枝を切り落とす。
それから、庭木もエンジン・チェンソー を振り回すほどの太い幹でなければ、こういうので切った方が楽。ちょうど、この季節、庭木や畑の果樹の太めの枝を切り払うのに便利だ。
GSA10.8V-Liはケースとバッテリー、本体と充電器とお試しブレード2枚
内容物はこんなかんじ。本体、10.8Vのリチウム・バッテリーは一個だけ付属?。刃は、金属用、木工用の短いのが一本ずつ。本体と充電器の取説がそれぞれついている。取説には、二個のバッテリーが付くと書いてあったので、Amazonに問い合わせたところ、シリアル番号などを伝える等、担当者と電話でやり取りして確認してもらい、バッテリー1個だけを送ってもらった。
ブレードは、短いのがついている。
切削工具論 というジャンルは、学術的に体系化されていないけど、ブレード(刃)ってのは、被切削対象に対して、長さが足りなければ、切れないからダメだし、長すぎても事故の元になる。
昔は、頭の良い連中の集団だったから、具体的に言わなくても、手に取って見せれば、すぐに理解する人間ばかりだった。
今は、手取り足取りでも理解出来ていないし、目を離した隙に、勝手に無茶して大事故 という…。もうね…、いろんな意味で現場は終わっている。
セイフティロックは、ドライバードリルの回転切り替えスイッチと同じ
右手で持った場合、人差し指側でオン。親指側でオフ。
刃(ブレード)の交換時には、かならずセイフティーロックがかかって、引き金(トリガー)部を押しても動かないことを確認してから、刃を交換するようにしよう。
ブレード(刃)の着脱は、回転チャック式。
「ブレード着脱スリーブ」の先をねじってチャックを開いて、差し込んでから放すとチャックが締まる。こういう着脱方式は、ドイツ人が大好きだ。
ワシらの仕事で使う道具も、ワンプッシュ(プル)・リリース・チャック式ってのが、いまでこそ主流なんだけど、昔は専用のドライバーでねじって固定しなきゃいけなかった。特許の関係で、ほとんどがドイツメーカのOEMだった。だから、ワシも仕事ではドイツメーカの純正品を好んで使っている。
ここ十年で、次々特許切れになるのを待ってから、日本いや、中華のOEMメーカーが台頭してきている。
バッテリーは共通の10.8Vリチウム充電池。
カチッと外せて、サッと交換できる。
インパクトドライバーGDR10.8Vや振動ドライバードリルGSB10.8V等と、リチウム充電池は共通だ。作業の応じて、バッテリーを振り分けることができる。
バッテリー充電器AL1130Vは、何個も要らない。
同じメーカーの同じシリーズを買っていくと、充電器のAL1130Vが重複してくるので、バッテリー無しのモデルを買い、バッテリーも別売のを必要数だけ買うというのが良いだろう。
で、グローバル展開のメーカーなので、パチモンの互換バッテリーが純正の半額で売っているので、アレだ(笑)。互換バッテリーについては、また書きたい(笑)。
人間の収集癖を刺激し、統一感を前面にだしたデザインとか、ドイツってのは、こういうのが好きな民族のようだ。
GSA10.8のブレード(刃)については…
大小あるんだけど、木と金属兼用の替え刃の長い純正のヤツも買ってみた。ってか、付属のお試しブレードの短い方は、Amazonで取り扱っていないみたいで見つからない!
ちなみに、SWISS MADEってことだけど、こういう金属加工製品はマシだが、スイス製の樹脂を含む製品はクソなのが多い気がする。
セーバーソーのブレードは国際規格なんで、他の国内外のメーカーのものでも、互換性がある。だから、適合機種を確認して国内メーカのものを買っても良い。
自作した木製ラックや棚、買った不要家具を切断分解し、ゴミに出したり、ロケットストーブやたき火の燃料にする等の作業で、木工用のブレードを使うと、釘や木ねじ(コーススレッド)があったりして、うっかり切ってしまうと刃がだめになってしまう。金属、木材切断両用のブレードなら、釘も切れるので都合が良い。
いい加減な採寸で、入らない自作ラックや机を切ったり、スチールラックに、大きな穴をあけるのに、ジグソーか、コレを使うということになる。
逆につけることもできるので、天井や壁の石膏ボードの穴開け(ポケット切断)の時に、体勢次第では、この方が便利なこともある。
長い刃は、刃先が振動、ブレる。これは、切削工学、切削工具論で、とても重要なことなので、ジャンルは違えど、学生や新人に周知させる重要事項。
あえて超音波振動させることで切削効率をあげる理論と方法がある。でも、基本は、たとえば、工作機械でも、刃先の振動は加工精度に大きな影響を与えるし、切削面の表面性状に大きな問題を起こすとか、そもそもブレードが振動すると破折するしな、まぁ、いろいろある。
こういう振動、ブレをどう押さえ込むか? 回転数、振動数で、共振周波数をアクティブに制御して打ち消すとか、スタビライザーとか、まぁ、ぞれぞれのジャンルや用途、現場での継承されるノウハウになっていくわけだな(笑)
これ以上長いのはダメだな。純正のブレードでこんなにブレてたんじゃ、これ以上長いのは怖くて使えない。
モーターの冷却は空冷式。
さすがに、この価格帯でインバータ式のモータは採用されないので、旧来のブラシ式の空冷ファンをモータ軸につけたものだ。ブラシがすれて火花が散っているのが見える。切削工具は、切削粉がこういう空冷のフィンに入ることを極端に嫌う。だから、圧搾空気(エアブロー)で切削粉を吹き飛ばすことは、タブー。適当な刷毛や、布で埃を払うしかない。
インバータ式制御で、モータが完全に密閉された容器に入っていて、完全防塵、防水が可能になったものもあるけど、まだ、発熱の問題が解決できていない。コストの面からも、一般的に普及はしないだろう。
ちなみに、このGSA10.8Vも、振動ドライバーGSB10.8Vと同様に、低速で長く使ってモータが過熱してきたら、空回しの最高ストロークで3分空冷をしてくれ とマニュアル22ページに記載してある。
レシプロソーの使い方は、ジグソーと同じだよ。
まだ、ジグソーの記事を書いていないけど、同じ電動ノコなので、使い方も同じ。ベースプレートっていう、押さえ金具が無いと、まったく切れない。切りたいものをベースプレートに押しつけるように力を入れて固定して、テコのように動かして切るものだ。
フリーハンドで持って、ベースプレートにも当ててないと、振動ばかりが手に伝わってきて、切れない上に振り落とされる事故も起きる。
動作原理を理解し、正しい使い方で、道具は最高性能を発揮する。
加工精度の高い切断は丸ノコを使う。
先にも述べた通り、往復運動ののこぎりは、ブレる。だから、まっすぐ切れないし、切削面もギザギザになるのは仕様だ。机の脚になる2X4の柱を切るのには、直角がでないので全く適していない。直角等、角度を決めて正確にまっすぐに切るのは、丸ノコが一番、次に、ジグソーとジグソーガイドの順だ。このレシプロソーは、手軽に「ぶった切る」ことはできるけど、正確な切削はできない。
繰り返すが、モーターの回転を往復運動に変換するだけで、パワーロスがある。
モータでダイレクトに丸鋸を回す電動丸鋸に比べて、切削能力は数段劣る。
だから、切るのに時間がかかる。だけど、怖くない。鉄パイプやスチールラックの棚を切る時に、回転刃だと高速だから火花が散る。そこまで、パワーとスピードがないから火花はちらない。モータのブラシ部分は火花がチカチカするけど。
バッテリー1個で、十分程度の持ち。
バッテリーパックは最小の部類に入るので、こういうモータの力を連続して使うレシプロソーは充電池がすぐに無くなってしまう。予備バッテリーが付いているので、二個を交互に充電しながら使うことになる。バッテリーの予備数個をマガジンベルト(ポーチ)に入れて持っておくと、庭木に登って枝を払っている時に、いちいち下へバッテリーを取りに降りることが無くて便利だ。
レシプロソーにスクレーパー・ブレードをつけてコンクリの塗装や壁を剥がす。
コンクリートについた塗装を一度剥がして、表面を塗り直し、再塗装をする時、グラインダーで削るのは、凸凹になってしまうのでダメだ。
こういう専用のスクレイパーを使う。
ごくたまに使うのなら、レシプロソーにつけるスクレイパーもある。
ジグソーとジグソーガイドについては、買ってあるので、またレビューを書く。スピーカーのエンクロージャネタと絡めて書きたいと思っているんだが、いつになることやら。
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