昨年も青枯れ病が出て、ヤバいと思いつつ、農薬による土壌の燻蒸消毒をしなかったツケを、高温期に入ってから払うことになった。
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 青枯れ病に強いプチトマトや接ぎ木をしたものは青枯れ病に強い。今年もトマトがいっぱい食べられると思ったんだけど、58円の在来種のトマトは全滅の予感だ。

 コガネムシの幼虫やモグラ、他、不用意に根や茎などを傷めることをすると、土壌にはびこる青枯れ病の原因菌が感染し、トマトを一瞬で立ち枯れにしてしまう。どんどん、増殖して茎から排膿様に細菌を含む滲出液がでて、ハサミや土壌の水を伝って次次感染していく。主力の夏野菜である、ピーマン、ナス、トマト…に感染する。でも、キュウリやスイカなどの瓜科の植物には、この細菌は感染しない。
 台風で風で木が揺すられるので、根や茎が傷つくのは避けられず感染拡大に歯止めがかからない。青枯れ病にかかっていると知らずに、去年もトマトを食っていたけど、当たったことはない。とりあえず、抜いて焼却処分をするんだけど、熟れた分は食った。燻蒸用の農薬の揮発性、毒性は強烈なので、あんまりやりたくない。

2014年夏の上陸台風 8号接近中。960hPaなら風速35m/秒は覚悟。

 今回の台風のコースを気象庁や欧米の気象情報サイトからのコースを分析したところ、我が家のささやかな家庭菜園は、ほぼ壊滅状態になる可能性が高いことが予測される。まだ、苗が小さければ苗を袋で多い守ることができるが、成長し、収穫ピークの今で台風直撃は痛い!

 座して死を待つ じゃないけど、指をくわえて見ているわけにもいかないので、瞬間最大風速30M/秒に3時間耐えられる、現時点で考えられる最高レベルの台風対策を段階的に行うことにした。

木の杭を打つ

 今回は、25本全部打ち込んだ。足り無ければ、カインズで追加を買ってこなければならないか??
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 オクラも綺麗な花が咲いては、実ができて、チンして納豆に混ぜて食うと良い。葉が大きく育ったので、風害の餌食になる。どうしたもんだか…。 

添え木の固定しているヒモは最強のハウスバンドに交換

 春に、ホームセンターの福引きで5千円の商品券が当たった。それで、全部、新しい添え木(といっても、一本百円の鉄パイプ&樹脂コート)を買ったので、添え木の長さと強度は、問題ない。あとは、それらを、強風で長時間揺すられてもビクともしない状態に固定する。

 去年の台風時の対策と基本的には同じだ。
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 固定するロープを最強のハウスバンドにしたところが、如何に今回の台風を警戒しているのか?ということになる。麻紐は土に帰るんだけど、こういう雨と風による揺さぶりに弱い。ハウスバンドは、H線と同じような構造で、銅線のところが釣り糸みたいな強い芯が入っている。幅広で、しなやか。これが、添え木を束ねて縛る、引っ張る、固定する等の結紮で、緩みにくく、雨と風の震動を吸収してくれる。
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青枯れしたトマトを抜いて、添え木だけ残して、それぞれをハウスバンドで縛って、杭に固定していく。
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 ハウスバンドは幅広なので、雨で濡れていても滑らず、適度に伸縮してしなやかなので、締めやすい。
 目安は、添え木をつないでいる竹棒を手で持って揺らしても、グサつくかんじが無く、リジッドに固定されていることが重要。これに対して、トマト等の茎を麻紐でつないで固定していく。

欠点は、結んだところを解くのが面倒で、切って回収するんだけど、結局使わず、まとめて袋に入れて燃えないゴミに出すしかない。畑にすき込んでも分解しないからね。

実をできるだけ収穫する

 風で揺らされて、葉や茎がかなり傷んでしまう。重い実は負担になるので、ナスとピーマン、キュウリはできるだけ、収穫して実を幹に残さないようにしておく。
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青枯れ病(連作障害)のため、ピーマンがさっぱり成長しない。ナスは、連作障害を免れたみたいで、良い感じで収穫できていたのに…。これも風害のダメージは避けて通れない。
メロンもせっかくマスクが表面にでてきたのに… 一本500円のコロタンも、一個だけできてたのに…。まだ熟れていない。収穫前に風害でアウトになるってのが悲しすぎる。
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 畑の何も植えていないところに、広がっている坊ちゃんカボチャ。カボチャは非常に強い植物なので、原則ほったらかしだ。これなんかもう少しで収穫できる。なにしろ、坊ちゃんカボチャ、すでに数えただけで二十個くらいなっている。どうすんだ?! ってくらい。
 まぁ、アレだ。カボチャとジャガイモなど美味しい品種で、病害虫に強く収穫量の多い品種ってのは、常に研究しておけば、日本人が飢えてしまうことは考えにくい。保存が利く野菜ってのが、重要なんだよね。米(弥生時代〜現代)や栗(縄文時代)がなぜ、国家で必要だったのか?という話は、またの機会に。

添え木と作物との固定は通常の麻紐を増やし、さらにハウスバンドでまとめる

 過去の経験上、風をモロに受けて枝がちぎれてしまわないように、全体を緩めに縛っておくことで、ダメージが少なくなることが多い。直前で、ハウスバンドを使って、トマトなどは数本をまとめて縛ることにした。


風を和らげる目的の防獣ネットを重ねたモノを風上につけてみるか?

 今年は、前からアイデアとして暖めていた、強風を和らげる防風ネットってものを付けてみようと思っている。今まで、なんども台風で家庭菜園にダメージを受けてきたんだけど、台風の位置による風の向きと強さを予測、さらに強風を遮る暴風壁をつくったら、それごと巻き込んで全滅という痛い目にあったので、風を和らげるレベルにして、力の出ないワシでも固定源を作れるものにしたい。今、考え中。

 

結果は?

 はてさて、どうなることやら。台風の来るタイミングが1週間遅くて良かった。1週間早ければ、入院中か退院間もないワシは、何も出来ないままになって、指をくわえて飛んでいくのを眺めるしかなかったことになる。念のために、お祓いをしていて良かったな(笑)。

→7月10日 無事台風は通過。こういう念入りに対策をした時の台風被害は、まったくない事が多い。備えあれば憂い無し。一部の結紮を残して、作業に支障の出る木の杭は週末に抜いて行く予定だ。トマト、ナス、ピーマン、それぞれ縛っていたハウスバンドは、明朝に全部ほどいて、枝をのびのびとしてやる予定だ。やれやれ。
風害を被った時の対策は…
  1. 泥で汚れていたら、速やかに水道水で綺麗に洗浄する。
  2. ダメな枝、実は切り落とす。
  3. 添え木で固定しなおして、真夏の日差しから避けるため、50%程度の遮光ネットをかける。
  4. 土が乾かないように、朝晩の水やり、土の温度が上がりすぎないようにする。
  5. 化成肥料を追肥をして、メネデールを希釈して噴霧する。
  6. 次ぎの芽が1週間経過してもでてこないようなら、抜いて次ぎの苗を植えることを考える。