HYPER DRIVEというブランドで、iUSBportシリーズがでている。これは、iUSBportシリーズの三番目の機種で最上位モデルということらしい。価格も160ドルと高い。日本での正規販売販売は、act2が扱っている。送料税込みの2万円弱。

 iUSBport 2が1万円。初期モデルも1万円と、小出しにVerアップしてきたわけだが、今回のiUSBportHDは、本当に買いなのか? ワシが検証してみる。

 とりあえず、

iUSBportHDのファーストインプレッション(第一印象)は、高い!重い!大きい! デザインがダッセぇ!!

 で、ちょっと使ってみて、その使い勝手が…。

 act2の公式で、高性能ぶりを盛んにアピールしているんだけど、高いし、

全部盛りという機能の割に、たいしたことない

なと感じている。

Retina iPad (iPad 4)、Kindle Fire HD、Nexus 7、Kindle Fire HDX同時表示でテストする。

 いつも通り、mp4ファイル(H.264 1920 X 1080フルHD、29.97fps、AAC 44.1KHz、ステレオ、ビットレート8.3Mbps)が何台再生できるかテストしていくと…。4台同時にmp4ファイルを再生できない。3台が精一杯。素のtsファイル(1080i 29.97fps 20.2Mbps(2.5MB/秒))は、後述するがギリギリの再生しかできない。

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 公式の紹介記事では3MB/秒以上でるということらしいんだけど、現実は、3MB/秒でるかでないかというレベルだ。

 暇をみてテストしているが、今のところ、この期待外れ感はMeoBankSD Plusより二倍以上高い価格のバイアス(自腹が故に)がかかって倍増している。

 おそらく、タブレット間でのデータ通信に適したチューニングが、なされているようで、動画のストリーミングには最適化されていないようである。

 さらに、機能がてんこ盛りのフルスペックなはずなのに、細かい設定が思うように出来ずに、イライラしている。

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 付属品は、英語のマニュアル、USBケーブルは通常のmicroBプラグと、USB3.0のMicroBプラグの2本が入っている。HDDを固定するための治具のネジの開け閉めにつかうプラスドライバ。

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 HDDを入れて計ると重さが300g超え!しかも、電源切っていてもLCD(液晶)は表示されたまま。

 参考までに、Nexus 7(2013年)が286g。携帯できる限界と思っているcheero Power Plus 2ですら297g。Nexus 7とiUSBportHDと、バッテリーを携帯するのなら、MacBook Air 11inchモデルを携帯する方がまだマシというかんじになる。

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 iUSBport HDには、USBのポート(付属の英語のマニュアルでは「Port」と記載がある、他にソケット、ジャックとも言う)が3つ付いていて、通常のmicroBのポートは充電専用になっている。パソコンとの接続は、USB3.0のMicroBポートで、行う。それぞれ付属のUSBケーブルがついているので、新たに買わなくても良い。

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 スマホへの充電や、USBメモリやUSBのHDDをつないで使うUSB-Aのポートを使う。

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SDカードスロットと電源ボタンは、こっちにある。

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 なんと!SDカードスロットは、SDカードが半分もはみ出るクソ仕様という… 衝撃の事実!(脳内再生:眉毛のチャイカ)

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 外付けのHDDREX-WIFIUSB2を持ち歩くのなら、iUSBPortHDを一つ持ち歩くのもアリなんだろう。けど…

iusbport

 USBの給電能力は、5V/0.5Aまでで、実際計ってみたところ、iPhone 5sには5V/0.5Aでしか充電できておらず、急速充電はできないし、iPadには給電すらできないという警告がでて終わり。REX-WIFIUSB2を使っているワシとしては、「二倍以上の価格のクセに使えねぇ」と言う評価をする他ない。

iUSBport HDにHDDを内蔵する。

2.5インチのHDDは、厚さが9mm以下という、一般的なものだ。ワシの場合、MacBook ProやMac mini、PS3やPS4への内蔵HDDの換装のため、買い置きと交換後のHDDが転がっているので、適当に入れてみている。使ってみたかんじでは、1TB程度の5400rpmの比較的消費電力の少ないものを推奨。

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まず、HDDを固定する治具の固定ネジを付属のドライバーで外す。固く締め付けられているので、ねじ山をナメたり、潰したりしないように、ほど良く力を入れて回すと良い。

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固定治具をHDDの固定用ねじ穴に取り付ける。

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で、iUSBportHDのHDDのスロットへ差し込んで、ケースの中に収める。

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付属のドライバは磁気帯びていて、ネジがくっつくので操作しやすい。

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ネジをしめて、蓋をしめる。

iUSBPort HDの本体と蓋部分は、ネジでとめるわけじゃなくて、パチンと機械的嵌合によって蓋が閉まる。

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 外すためのスリットもあるが、固いので外すときに、基板がついている本体側を投げてしまって壊さないにしよう。

 内蔵したHDDは、exFATに初期化(フォーマット)して使う。exFATなら、WindowsでもMacでも使えるし、2GB以上の動画ファイルを扱える。  

USBでMacにつないでも、SDカードスロットやUSBポートにつないだUSBメモリやHDDを認識しない。

 USB3.0のケーブルでMacにつないでみたものの… USBポートに差したUSBメモリも、SDカードスロットのSDカードも、Mac側では認識しない。ワシの持っているWi-Fi SDカードリーダは、パソコンにつなぐと、SDカードやUSBメモリは、そのまま認識できていたんだけど、これはできないようだ。

iUSBportHDにSDカード、USBメモリを差した時の挙動は?

 iUSBportHD単独での動作は、HDDへのコピーが一番になる。つまり、USBメモリ(HDD)か、SDカードのどちらかをiUSBportHDに差したら、HDDへコピーするか?(Copy Card? Card to HDD) と表示が出る。USBメモリを差したら、「Copy Card? USB to HDD」と出る。OKなら、電源ボタンで実行される。5秒くらいほっとけば、USBメモリやSDカードをそのまま認識し、Wi-Fiで共有できるようになる。

iPadやiPhone 5sとiUSBportHDをつなぐ

 iOSを代表して、iPadでの設定をする。
まずは、iOS用のアプリ「iUSBport」をダウンロードする。
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つなぎ方は、取説を読めば分かる。とりあえず、iUSBportHDとiPad(iPhone )をWi-Fiでつなぐ。
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199.0.0.125につながっているのが分かる。ルータは199.0.0.1。ネームサーバは8.8.8.8。
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こんなかんじで、つながっているドライブにC、D、EとWindowsと同じで番号が付いている。「C」が内蔵HDD、「D」がSDカード、「E」がUSB接続のHDD。
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この純正のアプリiUSBportも、m2tsファイル再生には対応していない。mp4ファイルなら問題なく再生できる。
仕方が無いので、nPlayerというアプリで、アクセスする。
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iUSBportHDは、各種サーバサービスに対応しているんだけど、SMBファイル共有でやってみる。DLNAではファイルが表示されないので、調べ中。
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tsファイルを再生してみる。問題なし!(脳内再生:眉毛の白チャイカ) 

Nexus 7とつなぐ  

Android標準機では、iUSBport Cameraしかアプリがないみたいで、ES File Explorerを使え!ということらしい。
とりあえず、Wi-FiをiUSBportHDにつないで…
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ES File Explorerで、SMB共有の199.0.0.1へguestでアクセス。
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アクセスできたら、名前をつけて混乱しないようにしておく。
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こんなかんじで、内蔵HDD、SDカード、USBのHDDのなかから、mp4をMXPlayerやBSPlayerで再生できるのを確認した。しかし…
tsファイルに関しては、音声映像共に滑らかに表示できず、音声はガガガガガガっていうかんじで、ダメ。iUSBportHDは、ストリーミングに対応しきれていないようだ。他のWi-Fiストレージは、対応できているのに、2万円(160ドル)もするiUSBportHDのお粗末さが、ここに露見した。
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だが断る ダダダダダダダダダ… みたいな音になっている。だめじゃん。

Kindle Fire HDX、Kindle Fire HDとつなぐ

Nexus 7と同じなので、省略。Kindle Fire HDXは、tsファイルはBSPlayerとの相性がいいんだけど、mp4ファイルはきちんと再生できるものの、tsファイルはダメ。

MacBook Proとつなぐ

 MacBook Proにつないでみよう。「システム環境設定」の「ネットワーク」で、「ネットワーク環境」は、「自動」にしておくこと!!
 さて、Wi-Fiでつなぐ。
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 iUSBportHDは、まだ暗号化してないので、SSIDのまま、そのままつながる。 ちなみに、pr400nで始まるSSIDは、近所のもの。困ったもんだ。
 つながったら、Safariで、英語の説明書に書かれているように、199.0.0.1へアクセスすると
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こんなかんじで、iUSBportHDのブラウザ設定へいける。ドライブの内部のファイルも、対応していれば観られるみたいだけど…。tsファイルを観ようとおもったら、ダウンロードを始めてしまった。
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3.1MB/秒と、まずまずのスピードがでている。
設定の項目にいってみると…
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 SMB、FTP、DNLA、WebDAV各種できるようだ。
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Wi-Fiにつないでみようと思ったけど、これも、SSIDを隠蔽しているワシの無線LAN環境では、SSIDが表示されないので、ダメだ。ゲスト用のセカンドSSIDを使って、隠蔽しないもので登録してやる必要がある。
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Samba機能があるので、SMBファイル共有をMacとしてみる。Finderに表示される。
でコピーしてみるが…
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3MB/秒となかなか健闘しているけど、そもそも、USB3.0で直に繋げりゃいいんじゃね?

スマホ充電機能は? 

 iPhone 5sを代表して充電してみよう。残量2%のiPhone 5sをつなぐ。
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 単にUSBにiPhone 5sをApple純正のLightningケーブルをつないでも、充電しない。本体が起動ていないと充電しない。もちろん、iUSBportHDってのは、起動させるとHDDも回ってWi-Fiのオンになっている。
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5V/0.5Aで、トロトロと充電する。今時、急速充電できないってのはクソ仕様と評価するしかない。 LCDには、iPhone が接続したと表示がでるので、通信をやって認識はしているみたいだ。で、データロガーをみればわかるように、1時間放置しておくと設定の1時間でオフになって、充電が止まる。

 1時間のチンタラ充電で、iPhone 5sは2→36% まで復活。その後、電源を入れ直したら…
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起動途中でハングアップ。いわゆるfreezeで止まった。USBを外して、再起動させて、HDDも回るしWi-Fiも電波が飛ぶという本来の機能が戻ってきた。何これ?? というかんじ(笑)。
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 で、バッテリーを使い果たし起動できない状態(Very Low Battery) の表示で終わる時、iPhone 5sの充電は67%。スマホの充電機能はオマケとすら呼べない。

iUSBportHDの充電機能は?

 iUSBportHDも、充電用microUSBポートに差して、充電しつつ使える。HDDを内蔵しているので、バッテリーの消耗は激しい。5400rpmの省電力型の方が良いだろう。外付けのUSBのHDDをつなぐと、3時間程度2時間しかバッテリーが持たない。

Wi-Fiへ接続し、ブリッジモードで使う。

これも、SSIDとパスワードを先に選択できないので、隠蔽型SSID(ESS-ID)につなぐことはできない。

iUSBportHDも、超多機能なので、順次テストしつつ、追加していく。