去年、REXーWIFISD1(WiDrawer)を買ったのが運の尽きで、次々、Wi-Fi SDカードリーダ&ライターを買い集めることになってしまった

 

 ワシが、スマホやタブレットを触っていて、ずっと不満な点がある。それは、

  • 動画を観るのに最適な道具なのに、内蔵のフラッシュメモリの容量が小さく足りず、大容量搭載のグレードは高価である。
  • OS系のiPhone(iPod touch)とiPad、Android系でも主力のGoogle純正のNexus 7、Android系独自OSのKindle Fire HDXは、microSDカードスロットを持たない。
の2つ。

 しかし、この問題を解決する方法はいくつかある。ワシが現時点(2013年12月)で最善の策であると考えるのが、このWi-Fiストレージデバイスである。

 

 ということで、13個目?だっけか、ラトックシステムのREX-WIFIUSB2を自腹で買ったので、SG的に(そこらの似非ガジェットブロガのタダでもらった供与品で書くステマ、提灯記事ではない)レビューする。なお、REX-WIFIUSB1は、REX-WIFISD1のバッテリーを搭載せず、USBのバスパワーで動作するものだ。REX-WIFIUSB2は、全部盛りという位置づけと思われる。

 いつものように結論から先に言いわせてもらうと、

REX-WIFIUSB02は、分厚く重く、SDカードを内蔵できない等の欠点があるものの、モバイルHDDを束ねて使い動画をバリバリ観るのには最適のWi-Fiストレージデバイスである。

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 REX-WIFISD1の後継に相応しいREX-SDUSB2である。「どうだ?SG?」とラトックの担当者のドヤ顔が浮かぶ。ぐぬぬ。

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 さて、今回もシンプルな構成で、保証書、取説、REXーWIFIUSB2本体、microUSBカード用USBーAプラグ。取説は日本語で、こういう機器を扱う上で前提になる重要な事項を、最初に記載してあって、ツボをよく押さえてある。この手の商品を実際に買い使いこなせるのは、ある程度のPCスキル(Wi-Fiに関する知識を最小限もっているレベル)の連中なので、特に問題はないだろう。

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 USB-Aのジャックが2つ。給電能力が1Aと2.1A用。USBバスパワーのHDDやUSBメモリ、SDカードリーダを差して使う。外部からのACーDCアダプタからの充電ができるようにmicro-Bのジャックも付いている。それから、有線LAN(RJ45)ジャック。

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 USBのAC-DCアダプタとしても機能するし、カタチもそのものである。ところが…

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ACのプラグを折りたたんだら、このはみ出方…、なんとかならんかったのか? コストの問題とはいえ…。

 

 電源ボタンは、長押し3秒で起動する。SONYのWGーC10の電源ボタンのように、長押し5秒で起動の??な設定よりはマシだし、IO-DATAのWFSーSR02のデベソな電源ボタンのように重ねて置いて勝手に電源が入ってしまうというマヌケな設計でもない。

 付属は、microSDカード用USB-Aプラグが付く。

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 このmicroSDカード用のUSBアダプタは小さすぎるので、紛失防止のストラップ用の穴が例外なくついている。

WIFIUSB2&AirPortExpress 11

REX-WIFIUSB2は、9年前に買った初代AirMac ExtremeExressと比べて、厚さはほぼ同じで、少し短く、重い。

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200gのREX-WIFIUSB2は、ずっしりと重い。

 それでも、それよりわずかに軽くて大きな”初代”AirMac ExtremeExpress。2004年の発売当時、画期的に小さなポケットルータだった。出張時にホテルの有線LANにつないで使い、PowerBookG4と一緒に持ち歩けた。後に発売された有線LANジャックを持たないiPod touch(iPhone)の携帯無線LAN基地として使うとか、今では当たり前のようなことをやれた。

 当時、Windowsしか知らない連中に、ドヤ顔で自慢出来た。

 ちなみに、AirMac ExtremeExpressは、当時からAirTunesの端末として使えた。現行のMacBook やMac miniと同様に音声アナログ端子は光端子と兼用で、ネットワーク・オーディオプレイヤの走りだったんだよね。まー、ここ3,4年前から、iPhoneやiPad をきっかけに、Macを始めたような「にわかマカー」連中には、どうでも良い昔話か(笑)。

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MacBook ProのACアダプタ60ワット、80ワットとREX-WIFIUSB2、AirMac Expressの大きさ比較。

 

 今回は、USBのSDカードリーダかHDDが必要になるので、HDDでテストする。

 

いつも通り、フルHDのmp4の録画ファイル(ビットレートは5Mbps)をRetina iPad (iPad 4)、Nexus 7、Kindle Fire HDで同時に観る。

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 まったく問題ない。これらは、すべて純正のWiDrawerのプレーヤで再生中。

 Kindle Fire HDにも対応していることを高く評価している。WIFISD1とクライアントは同じなので、IO-DATAのSR01とSR02のように別物ではない。

 

  以下、個別に

Retina iPad (iPad 4)で接続する

基本的な接続方法は日本語の説明書を読めば分かるので省略。

クライアント・アプリは、お馴染みのWiDrawer。App Storeでダウンロードしてくる。

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Wi-Fiを切り替える。DHCPの割り振りは、10.10.10.1〜で、中身の同じREX-WIFISD1やWFS-SR01と同じだ。

WiDrawerでアクセスできる。

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WiDrawerのプレイヤーでは、素のTSファイルは再生できない。

Samba機能はデフォでオンになっているので、GoodReaderでのアクセスはできる。

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GoodReaderが使えるってことは、ComicGlass(smbに対応した時点で)も使えるはずだ。

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試しに、1GB弱のmp4ファイルを読み書きしてみたけど、1.7MB/秒がアップロード、ダウンロードで出ているので、合格だ。

次にnPlayerを試して観てみよう。

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うーん、ちょっと厳しいか。素のTSファイルは、ビットレートが24Mbps(3MB/秒)だからね。バッファが効かないので途中止まることが多いので、ダメ。

 nPlayer(v2.4.2)で、改善した。やれやれ。

Nexus 7で接続する。

クライアント・アプリは、Google Playから、WiDrawerをダウンロードしてくる。

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Wi-Fiでの接続は特に問題ない。

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iOS版もAndroid版、Kindle版も使い勝手が同じ。これが当たり前なはずが、他のメーカのはそうでもないんだよな(笑)。

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ファイル表示もリスト表示ができてソートもできる。

ただし、WiDrawerのプレーヤでは、素のTSファイルが読めない。これはしょうがないか。

ES File Explorerでアクセスはサクサクだし、TSファイルはMX Playerを使えば、素のTSファイルをきちんと再生できる。とくに、ラトックのREX-WIFISD1も、REX-WIFIUSB2も、動画のストリーミングに関しては、非常に安定していて滑らかだ。

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ファイルの転送をしてみると、1.7MB/秒前後で読み書きができている。

 

Kindle Fire HDで接続する。

クライアント・アプリは、AmazonのアプリストアでWiDrawerをダウンロードしてくる。

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とくに問題はないんだけど…

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Kindle Fire HD版に限って、プレーヤを選べるみたい。残念ながら、Kindle Fire HDXじゃないので、素のTSファイルを再生することができないが、Kindle Fire HDXのユーザにとっては、REX-WIFIシリーズは相性が良いかもしれないね。ってか、他にはAir PenやAir Stashくらいしか、Kindle 版のクライアントソフトがないから。 

Macでつなぐ。

 

SMBファイル共有機能をオンにしておけば、WindowsのPCやMacからアクセスできる。ワイヤレスのNASなので、特に問題はない。

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 まずは、Wi-Fiで接続してみよう。

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Safariで10.10.10.254へアクセスすると、REX-WIFIUSB2の設定画面へ行ける。お馴染みのインターフェイスで、VerはREX-WIFISD1と同じ。

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中身は同じだな。

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Samba機能はデフォでオン。

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特筆するところもないか。細かく設定できる。SSIDの隠蔽、ステルスSSIDにはできるが、MACアドレスによるアクセス制限機能はない。

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Wi-Fiブリッジ機能は、SSIDの直打ちができないので、我が家のようにデフォでステルスSSID(ESS-ID)にしている無線LANポイントには設定できない。

あとね。Macってさ、昔っから、ネットワークも良く出来ているんだよね。

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テスト用のMacBook Proのネットワークだけど、Thunderbolt Express Dockにつないだ有線LANと、Wi-Fiで直にREX-WIFIUSB2につないでいる。

だけど、

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Finderでは、有線LANの家庭内LANと、Wi-FiでつながっているREX-WIFIUSB2は同じように、「共有」に表示されていて、違和感なく使える。

これは、Mac Proなど2つのRJ45ジャックを持つMacで、デフォで使えた機能で、2つの異なるネットワークに、それぞれ接続できて、2つのLANを同じように使えたんだよね。まー、そこら辺のにわかマカー系ブロガは、こういうLANの使い方をするヤツは居ないから、ネタにもできないだろうってんで、ワシが紹介しておく。

有線LAN接続して携帯無線ルータ(ポケットルータ)として使う。

 

 有線LANケーブルをインターネットにつながるLANに接続し、電源をいれると、自動で無線LANアダプタとして機能するようになり、REX-WIFIUSB2に接続するタブレットは、そのままLAN経由でインターネットに接続できる。

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 もちろん、有線LANケーブルなしでも、インターネットにつながる無線LAN基地へつながる設定(Wi-Fiブリッジ機能 オン)にしておけば、REXーWIFIUSB2に接続していても、インターネットへつなぐことが出来る。

 付属の説明書にも記載があるが、PPPoEの機能がないので、ブロードバンドルータとしてはREXーWIFIUSB2は使えない。

USBデバイスの抜き差しはできる。

 説明書の記載通り、抜き差しには対応している。ただし、USBデバイスにアクセス中に勝手に抜くと問題がおきるので、WiDrawerから、「取り出し」ボタンを押してUSB Disk_Volume1のアイコンが消えていることを確認してからの方が良いだろう。

 それから、二つのUSB-Aジャックに両方、USBストレージデバイスをつなげば、両方認識できる2.1Aの方は給電用で、1Aの方しかデバイスを認識出来ない。

 

ACコンセントに差したままで使える。

 これも当然と言えば当然なんだけどね(笑)。 

 

モバイル・バッテリーの能力は?

実測した。満充電から、7%までバッテリーを消耗したRetina iPad (iPad 4)を純正のLightningケーブルでつないで、電流と電圧をPC700で計測した。

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データロガーで、記録した。

usb2

だいたい、5Vの0.94Aと、1.4Aの急速充電モードでは無いことが分かった。充電は3時間26分で、REX-WIFIUSB2のバッテリーがなくなり、終了。Retina iPad (iPad 4)は、7%→40%まで充電できていた。3.7V/5200mAhというカタログスペックなので…

5.2Ah*3.7V*1h-5V*0.94A*3.43h≒19.24-16.07≒3.2 で、84%か。カタログスペックの8割がでたら、OKでしょ。