Belkin Thunderbolt  Express Dockが、今頃届いた。

ExpressDock

これは、MacのThunderbolt™ポートに繋いで、機能を拡張するもの。

 MacBook AirやRetinaのMacBook Proは、FireWireや有線LANポートなどがない。出先でなく、自宅や仕事場で据え付けて使う「デスクトップ」での使用時に、そういった不便さを補うのが、このBelkin Thunderbolt  Express Dockだ。

 Thunderboltケーブルを繋ぐことで、有線LANポート(RJ-45)、FireWire800、Thunderbolt、ヘッドホン、マイク、そしてUSB3.0ポート3つを拡張する。

※2014年10月 Thunderbolt 2対応のマイナーチェンジで、ボディが小型化、諸々が高速化されたBelkin Thunderbolt 2 Express Dockが出た。売価が3万円チョイなら、1mのThunderboltケーブルが付くので、急激な円安分の価格はまだ反映されていない。

 Thunderbolt™接続のインターフェイス拡張デバイスは、いろいろとある。今、気になっているのが3つ。

・Matrox DS1(マトロックス ドッキングステーション)

 DVI(HDMI)コネクタ、有線LANポート、ヘッドホン、マイクジャック、USB2.0が2つ、USB3.0が1つでThunderboltの終端に繋ぐ。価格性能比からも、今回のベルキンのExpress Dockの方が良い。

他のThunderboltの機能拡張デバイスより先行して発売されていたんだけど、ワシ的に食指がまったく動かなかった。2万円以下の投げ売りでも、こんなものは要らん。

・CalDigit Thunderbolt Station

 今年夏、25200円で発売予定。HDMI出力、有線LANポート、USB3.0が3つ、ヘッドホン、マイクのジャック、Thunderboltがついている。Mac miniとMacBook、それぞれにThunderbolt接続のドックが欲しいので、同じモノを2つ買ってもネタにならんから、これも買った。

 さて、今回買ったベルキンのThunderbolt  Express Dockも、カルジットサンダーボルトステーションも、MacBookとMac mini用のProRes録画用の拡張セットとして使う。

 それぞれのドックに、USB3.0のHDDとHDMIキャプチャーデバイスをつないで、Mac miniとMacBook につなぐ。それぞれの用途に合わせた周辺機器をドックにつないで、ワン・セットにすることで、Thunderboltのケーブル一本をつないで対応するっていう… PCI-eバスをケーブル一本で実現したっていう、本来の使い方が出来るようになるわけだな。

 とりあえず、既にいくつもレビューがあがっているので、細かいことは、そいつらの記事を見てもらうことにして、ワシが興味のある項目だけテストしていく。いつも思うんだが、細かい仕様やスペック、基本的な取扱は、説明書や本家サイトをみりゃ分かることなんで、ワシはいつも通りスルーだ。

 で、このBelkin Thunderbolt  Express Dockで分かっている懸案は3つ。

  • USB3.0のバスパワーは規格通りの900mAまでのため、5V/1Aを超えるデバイスは使えない。
  • USB3.0の帯域(5Gbps、500MB/秒)は半分に制限される。
  • 要求されるMac OS Xは10.8.3以降。

 USB3.0の問題については、ワシの用途からして、関係のない話だな。しかし、10.8.3以降を要求って…。Mac miniは10.7.5なんだよね。PC(Mac)ってのは、それぞれの用途別に組んで積み上げているので、安定すれば、弄らないでそのまま使い続けるってが、ワシのやり方なんだけど…。いまさら、テスト用にまたMac miniを買うのもナニだし…。

 ということで、週末はこれをMacBook につないで弄りつつ、Mac miniのVerアップをかねてクリーン・インストールでもするかなと思っている。

ACアダプタは接地極付きコンセントで、DCプラグが5.5mm径の2.5mm内径のタイプだ。

1

12V/6Aで、DCケーブルにはフェライトコアが付く。パソコンの周辺機器は、AC−DCアダプタがほとんどだけど、DCケーブルにフェライトコアが無いものは、別に買って2、3回巻いておくべきだ。

2

こういう細かい配慮が、とても重要で、大量の周辺機器を一括してACタップのスイッチでオンオフしているワシならではのノウハウの一つだ。

ノイズ対策と言うより、突入電流を抑える効果に期待している。

 昨年の秋、サージカットACタップやすべてのPCやネットワーク機器の電源はUPS(停電対策電源)を備えていたにもかかわらず、突然起きた落雷被害で、このフェライトコアを付けるのを忘れていた機器(ブロードバンドルーターとHDMIスプリッター)を中心にLANケーブル、HDMIケーブル経由で、機器が壊れてしまった※フェライトコアは、DCラインだけに入れること!アナログ音声ライン(AUX)、USBの信号線、交流のACラインにいれてはいけない!

Belkin Thunderbolt Express DockのUSB3.0ポートのバスパワーは、0.9A以下になるように制限されている。

 USB接続のSuperDrive(外付けのDVD-RWドライブ)が、正常に動作しないことは確認した。

残念ながら、ワシはアップル純正のUSB接続の光学ドライブをもっていないんだが、MacBook Proの光学ドライブを取り外し、SSDに交換した時に、増設キットの付属で光学ドライブをいれるケースにいれている

 こいつがMacBook Proに直づけで使うと、USBの電流をどれくらい使うのかを計ってみよう。

2


試しに、dmgファイルを焼いてみる。そのUSBの電流と電圧をDMMで計り、PCで記録する。

3

 DVD-Rメディアを差し込んで、データを書き込んだ後、データの検証して、ンペッっとDVDをはき出したところまでの電流と電圧だ。電流は、最大で1.4A弱流れている。モータが勢いよく回る時に電流が跳ね上がり、安定して回る時でも1A弱流れている。これでは、USB3.0の0.9Aの制限にかかってしまう。

 この回避策としては、どうせDVDドライブはUSB2.0であることから割り切って、バスパワーをAC−DCアダプタで供給するUSB2.0のハブを介してつなげばよい。(現時点で、USB3.0のバスパワー外部供給のまともなハブが見つからないというのが問題なんだけどね。)

 次に、充電に、5V/1.9Aを必要とするRetina iPadと5V/1.5Aを必要とするKindle Fire HDを、Belkin Thunderbolt  Express DockのUSB3.0につないでみよう。

4 5

どちらも、充電ができないと警告がでる。で、その電圧と電流を見ると一目瞭然で、

6

 Retina iPadやKindle Fire HD側の保護回路が動作するみたいで、0.5A以上でないようになっているみたいだ。それでも、0.45Aくらいは流れているので、まったく充電できないというわけじゃない。一晩つけていれば、すこしは充電できるだろう。

 信号線を切ったバスパワーだけのUSB結線をしたケーブルにつないだのと同じ状態なので、たぶん、信号的にRetina iPad側も充電できないUSBと判断するし、Thunderbolt  Express Dock側のUSBも0.9A以上は出せないんだよ ってことなんだろうね。

VMWare FusionのWindows側で、Belkin Thunderbolt  Express DockのUSBにつないだUSB機器を認識する。

 理屈から言えば、Thunderboltってのは、PCI-eバスの拡張なんで、このルールに従って作られたインターフェイス拡張機器ってのは、あたかもMacの一部として機能する。だから、MacBook AirやRetinaのMacBook Proのように、レガシーのI/Oインターフェイスが省かれたMacも、Mac Proの背面なみのI/Oポートを手に入れることが出来る。

 たとえば、DMMやオシロなどのUSBでシリアル通信をする機器をMacで使う場合、Macにnativeなアプリケーションは無いので、VMWare Fusion を使ってWindows版のアプリケーションを使う。で、Belkin Thunderbolt  Express DockのUSB3.0ポートに、DMMのPC-700を差してみた。

6

いつも通りの、Windowsにつなぐのか?Macにつなぐのか?と聞かれるので、Windowsにつないでアプリケーションを起動すると…。

7

はい、問題なくDMMからのデータをUSBで受け取り、VMWare FusionのWindowsのアプリケーションで動作していることを確認した。

Thunderboltって、ほんと便利だ。

Thunderbolt  Express Dockの有線LAN(RJ-45)をつなぐ。

1

ワシのRetinaでないMacBook Proには有線LANのジャックがあるので、Thunderbolt  Express Dock側にもつなぐと、Mac Proと同じように有線LANが2つ認識される。これで、Mac Proと同じように、二つのレイヤーのネットワークにそれぞれつないで、ファイル共有などができるようになる。タイトなデータ転送用のイントラネット側と、インターネットにもつながる一般のLANと使い分けることがMac Pro以外でもできるって、こんなの普通の人は使わない。

転送速度の実測は、この週末にテストしていく。MacBook Proの内蔵の有線LANは108MB/秒とMac miniやMac Proの110〜112MB/秒と比べると若干遅めだった。

Mac Pro(Apple RAID Card HDD4台ストライピング)→MacBook Proの Thunderbolt  Express DockにつないだLCH-LB1TTBへコピーしてみると…

1

やっぱり、同じ108MB/秒が限界か…。ま、仕方がない。

1

 自作機から、玄立の3TBのHDDへ大量のTSファイルを移動しているんだが、115MB/秒を超えることもあるようで、有線LANに関しては、遅いことはないようだ。それでも、1TBを転送すると2時間半…。だから、HDDごと交換するのが手っ取り早い。

 無線LANで高速バックアップって、ブログで自慢しているヤツがいるんだけど、アクティビティモニタと、1TB程度のファイルのコピー時間を実測して、実際の転送速度を見ているんだろうか? いや、そのアプリケーションの存在自体知らない「にわか」ってことなんだろうけどね。あと、ストレージの速度をBlackmagic Disk Speed Testで測って貼り付けているのも同類だ。

 3時間以上、110MB/秒のLANをフル稼働させていると、冷房の効いた室温27度でThunderboltのコネクタが46度、アルミボディも35度を超えてくる

1

 ワシは、Mac mini同様にBelkin Thunderbolt  Express Dockコネクタ側を手前に配置して使っているんだが、右側のDC12Vの電源部の発熱より、左側のThunderboltコネクタとFireWire800、RJ-45のイーサネットジャックの方の発熱もバカにならない。サーモサイクルによるハンダクラック等、早期の故障を懸念する人には、空冷を考慮してBelkin Thunderbolt  Express Dockの配置をすることを推奨したい。

 RJ-45のジャックやFireWire、Thunderboltのジャックが基板に実装されていて、そのままでボディに固定されていない。こういう堅いLANケーブルやThunderboltケーブルをジャックに差し込んで、壁に押しつけるようなことをした場合、基板に常にテンションがかかり続けることから、ハンダクラックのリスクが上昇する。これも、電子工作を始めて、手持ちの機器の故障を調べていて、だんだんわかってきたことの一つだ。大切なことなので、二度同じことを言う。

見た目よりも、空冷と、日頃の使い勝手を優先した配置にすることを推奨する。

2

小ぎれいに生活感のないおしゃれなマカーを演出するブログ用の写真を撮ったら、こういうかんじの実用本位で配線していく。

 ま、2万7千円ほどの機器なので、消耗品として割り切るのには、十分安価なものだけど。どうせ、黒い煙突状のMac ProとThunderbolt 2版のPromise Pegasus R6を買うまでは、混沌としたカタチでやっていく。用途別にMac miniを積み上げるというのが、ワシ的にはすごく使い勝手が良いんだけど…。

オーディオ(入出力)もそれなりに機能する。

2

USB PnP Sound Deviceという、よく見るデバイスとして認識されていて…。

1

アンプとApple Pro Speakersを繋いで聴いてみても、この程度の卓上(プア)オーディオシステムで違いがわかるような差はない。音声入力も普通に使える。しかし、Mac本体のオーディオジャックは光ファイバーにも対応している点を考えると、オマケ程度のものか。

ストレージ間の転送速度テスト(ThunderboltのHDD→USB3.0のHDD)

Belkin Thunderbolt  Express Dockにつないだ、USB3.0接続のHDDへThunderboltのHDDからデータをコピーしてみる。

2

HDDはWD(ウエスタンデジタル)の3TB、玄立に立てて使っている。WDの3TBは、HDD単体で90〜140MB秒の書き込みが出来る優れもので、余裕さえあれば買って積み上げている。

1

書き出し用のThunderboltのHDDはLCH-LB1TTB。書き込み能力で140〜170MB/秒が出せる。読むだけなら180MB/秒が出る。

で、いつも通り、TSファイルの詰め合わせフォルダ650GBをThunderboltのLCH-LB1TTBから、玄立にコピーしてみよう。

3

 ご覧の通り、HDDの書き込み能力をスポイル(台無し)にすることなく、130MB/秒以上で安定して書き込めている。だいたい、3TBのうち1.5TB分くらいまでは、130MB/秒以上の書き込み速度を維持できる。全域にわたって高速に書き込みができるわけじゃなくて、8割以上の容量を使うとガクンと書き込み速度が落ちるのは、どのHDD(たとえRAIDシステムでも)同じことだ。

 USB3.0の帯域の半分(250MB/秒)しか出ないとしてもHDD単体での使用なら、十分使えるようだ。これを2台束ねてソフトウエアRAIDにするというのも、あるんだろうが、ワシは興味がない。

 本体に直につないだUSB3.0のHDDと同様に、起動ディスク(bootable disk)として使えるんだが、ワシの少ない(笑)経験上、Thunderbolt接続のHDDに比べてUSB3.0のHDDの信頼性が低い?とかんじることがあるので、緊急用起動ディスクとして使い、常用するのであれば覚悟の上で。

HDMIキャプチャーのセットとして組む。

FireWire800も問題なく、つながる。

 FireWire400(IEEE1394a、i.LINK)は変換ケーブルもしくはアダプタで対応できる。

 十年ほど前主流だったDVカメラを未だに使っている人なら、i.LINK(IEEE1394.a)ケーブルでMacのiMovieにDVデータを取り込むことが出来る。

 FireWireのジャックを持たないMacBook AirやRetinaのMacBook Proで、IEEE1394の機器を使うためにはBelkin Thunderbolt  Express DockのFireWire800が一つ付いているので、オススメしたい。カルディジットのサンダーボルトステーションには、FireWireが省かれている

 FireWire(IEEE1394a/b)で接続するオーディオインターフェイスはプロ用の高級品が多い。ワシは持っていないが、HDDやDVカメラやFireWireのキャプチャーデバイスをつないで試した感じからして、とくに問題なく使えるはずだ。といっても、音楽のプロ系デバイスを使う連中にとっては、こういう3万円もしないデバイスを試しに買うくらい何の躊躇もないか(笑)。

 今更、OEM先のアップルブランドのサンダーボルト・ケーブル(中華のパチモンメーカは真似できない)を買う人は、あまり居ないと思う。しかし、住友電工の中国生産品はケーブルの樹脂がべたつくものもあり露骨なコストダウンが手触りでもわかるモノになってしまった。

Thunderbolt™ケーブルは消耗品と割り切って予備で常に数本持っておくことを推奨

する。ワシも10本くらい買って、予備で転がしている。

 Thunderbolt™の各種デバイスをデイジーチェーンで繋ぎ、終端にディスプレイやキャプチャーデバイスが来るわけで、途中の一本でも不具合がでると、困ることになるから。