固定電話機に付けている通話録音用のICレコーダーが壊れたので、新たに、SONYのICレコーダー ICD-PX440を買いました。この

ICレコーダー ICD-PX440を選んだ理由は、USBの給電により連続使用ができるということ

です。ICD-PX440に電池を入れなくても、USBの延長ケーブルでAC-USB充電アダプターにつないでおけば、使えることを確認しました。

ICD-PX440C-USB給電

電話での会話、通話を録音するためのマイクをテレフォンピックアップ マイクと言います。

テレフォンピックアップマイク

テレフォン ピックアップ マイクには、

  1. 固定電話機と電話回線の間につけるアダプターマイク(モジュラーは6極2芯)
  2. 固定電話機の受話器と電話機の間のモジュラーケーブルにつけるアダプターマイク(モジュラーはRJ12の4極4芯)
  3. 携帯電話や受話器の音声と骨伝導で響く自分の声を拾う、イヤホンの形をしたマイクを耳に差し込んで使う方法
の3種類があります。

 この3つの方法共に必要なのは、録音器です。昔はテープレコーダーでしたが、今はICレコーダーです。携帯電話機(スマホ)にも、ボイスメモなどのアプリとして会話を録音する機能が付いていますが、相手(自分)の声しか録音できなかったり、エコーがかかる声になったりして、使い勝手が悪いんですよね。

 日頃から、大事な交渉ごとやクレーム処理などの仕事で電話を使う人におすすめなのが、(3)のイヤホン型マイクとICレコーダーです。

 特に、ゆとり世代の電話の応対に不安を抱く事務所などでは、通話記録は録っておくようにしましょう。相手に録音していることを告げなくても、法的になんら問題はありません。お互いに通話、会話は録音、録画をしているものとして、商談や交渉ごとに望むべきです。
 営業や事務職をしていて、電話の応対が苦手な人にも、こういった通話録音用セットはおすすめです。聞き逃し、勘違い、言った言わないのトラブル防止、のためにも、(会社、上司に)許可さえもらえば自腹で付けても、元はすぐにとれます。通話を、あとで落ち着いて繰り返し聞き返すことができるってのは、精神的に楽になります!

ICレコーダーか電話機専用録音装置か?

 受け答えができない小さな子供や、難聴やボケかけた老人のいる家庭では、固定電話にかかってきた電話に子供や老人が出て、受け答えが上手くできなかったり、伝わらなかったり、振り込め詐欺にひっかかったりと何かとトラブルが起きます。そのための対策として、電話の録音装置が必要になります。 

 電話録音専用レコーダーには、電話機と電話回線の間にいれるもの、受話器と電話機の間につなぐもの等がありますので、各家の都合で、選んで設置すると良いでしょう。

以上、前置きが長くなりましたが、

今回は、(2)の電話機と受話器のモジュラーRJ12のコードの間にいれるテレフォンピックアップマイクにつないで使うICレコーダー(ICD-PX440)の話です。

ICD-PX440のフォトレビュー

ICD-PX440C内容物

 内容物は、本体と取説、保証書、Sound Organizer(Windows用のアプリケーション)の取説、単四乾電池2本が入っています。

ICD-PX440Cサイズ

 サイズは最近のICレコーダとしては大きめです。さらに厚さが2cm弱とぶ厚めです。重さは、付属の単四アルカリ電池2本込みで75gと存在感があります。

ICD-PX440C電池

 単四乾電池2本を直列で入れます。電池のフタは、完全に外れない仕組みになっています。ICD-PX440に入れられるのは、単四乾電池とニッケル水素充電池と取説に記載があります。USBに給電しても、ニッケル水素充電池へ充電はされません。

ICD-PX440CUSBレバー

 USB-Aプラグは、本体に収納されていて、裏側のつまみ(レバー)を押しながらスライドさせることで、出し入れができます。 USBをパソコンに挿せば、USBメモリーとして認識します。USB充電器に挿せば、USB側からの給電でICD-PX440は動作します。

ICD-PX440C左 ICD-PX440Cメモリースロット

本体の向かって右、本体からすれば左側は、メモリースロット、リピートボタン、ファイル消去ボタンがあります。消去ボタンは、選択したファイルを一つ消すことだけができるようです。「消去」ボタンの長押しで、メモリー内全部消去の選択メニューが出てくる仕様ではないようです。

ICD-PX440Cフォルダ内一括消去

 ICD-PX440の録音されたフォルダ内の録音ファイルを全部一括で消すためには、前面のコントロールボタンと液晶パネル表示を使って、メニュー/鉛筆のアイコン/フォルダ内消去 を選択しなくてはいけません。

 メモリーカードは、SONYらしく、マイクロメモリースティック(M2)が使えるようになっています。割安のmicroSDカードも使えますから、ほとんどのユーザーはmicroSDカードを使うでしょう。内蔵メモリは4GBあるので、モノラル音声の48kbpsのビットレートなら、175時間分の録音ができると表示がでます。

Sound-Organizer

 ※ICD-PX440のフォルダに、Sound Organizerのインストールのexeファイルが入っています。私のようにメインでMacを使う者にとってWindows 専用のアプリケーションは必要ありません。そんなユーザは、本体で初期化することで消去できます。Sound Organizerのインストラーファイルが無いだけ、容量は大きくなります。

 Sound Organizer自体は、ICレコーダーサポートページからダウンロードできますので、さっさと初期化して内蔵メモリを有効に使いましょう。Sound Organizerは、SONYのICレコーダーにつないで使う、音声の編集からICレコーダーの時計のセット、データの管理などができるWindows専用アプリケーションです。

ICD-PX440C右

本体からいうと右、ユーザ側から言うと左側面には、電源のスイッチと再生速度を変えるDPC(速度調整)スイッチがあります。

 電源スイッチは、下方向にスライドさせることでオンオフができます。電源が入った状態で、上にスライドさせるとホールド、つまり、すべてのスイッチを無効にして動作し続けるようになります。

ICD-PX440C-DPC

 DPC(速度調整)のスイッチをオンにすれば、コントロールパネルの上下で速い遅いが設定できます。再生速度は、0.5〜2.0倍まで、0.1倍刻みでできます。ボイスメモや会議の議事録などをテキストに起こすような作業をするときに必要な機能です。

ICD-PX440C上

 ICD-PX440の上面は、左右にステレオマイクと、外付けのマイク用ジャック、イヤホン用のジャックが付いています。

ICD-PX440C下

 ICD-PX440の下面には、USBのプラグが収納された形になっていますが、フタがないので、防塵、防滴仕様ではありません。

ICD-PX440の録音ファイルをMacに録り込む

ICD-PX440をパソコンのUSBに差し込むと、USBメモリースティック同様にフラッシュメモリーとして認識します。

ICD-PX440C-mp3場所

 Macの場合は付属のSound Organizerに変わる物がないので、Macへの録音ファイルの録り込みは、Finderからドラッグ&ドロップのコピーか+commandの移動で行います。再生は、QuickTime Playerでできますし、編集はGarageBandでできます。

テレフォンピックアップマイクをつないだら、VORをオンにする。

ICD-PX440C音声反応録音機能

 どのICレコーダーにも、ある一定の大きめの音声を拾ったら自動で録音を開始して、音が無くなったら、録音を停止する機能が付いています。このICD-PX440にも、VOR(Voice Operated Recording)録音という名の機能として付いています。音声反応録音機能、音声検知録音、録音時無音停止機能などと呼ばれているもので、テープレコーダー時代は音声の頭が切れるという欠点がありましたが、ICレコーダーになってからは、物理的なテープの回転遅延が起きないので、音声の頭が切れることはなくなりました。

 テレフォンピックアップマイクにつなぐ時には、このVORをオンにしておきます。あとは、録音ボタンを押して、付けっぱなしにしておけば、一日中、通話をはじめたら録音を開始して、終われば録音は停止します。夜仕事が終わって停止ボタンを押せば、一日の通話記録が一つのmp3ファイルとして記録されます。朝に録音ボタンをオン、夜に停止ボタンをオフの手間はかかりますが、一日の仕事のルーティンとして組み込んでおけば、忘れることも、苦痛にもなりません。

 内蔵電池は時計の維持のために使うくらいで、USB給電からの動作にしておくことで、毎日、長時間の運用が可能です。 

ICD-PX440のUSBからの給電で動作状態を観察する

ICD-PX440-USB給電テスト
 例のごとく、USBの電流と電圧をsanwaのPC700というDMM(デジタルマルチメーター)で測定し、データロガーで記録、観察しました。
ICD-PX440のUSB電流測定 

 その結果として、ICD-PX440の本体は電源を切っても切らなくても、USBをつないでいるときは、三十数ミリアンペアの電流が流れ続けていることが分かりました。録音や内蔵スピーカーからの音声再生には、それなりに電気を食う動作なので、電流が増えていることが観察できます。

 電流は30〜60mA程度しか流れないので、モバイルバッテリーをつなげば、長い時間、録音し続けることが可能です。

まとめ:他のICレコーダーと比較して、今回 ICD-PX440を選んだ理由として…

  • ACアダプタが付いた物は、1万円以上と高いものしかない。
  • 1万円以上するICレコーダーは、FMラジオが付いていたり、PCM録音ができたりと高機能すぎる。
  • パソコン(Mac)に録り込んで保存するのに、特に、専用の通信ソフトなどが必要ない。
  • USBから給電して動作する。
  • USBから給電しても、内蔵した単四充電池には充電する機能はないが、それができるものは、5千円より高い。

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