最近、電池を入れて使う機器を買うことが多い。そこで、実際に、その機器が電池の電流をどれだけ食っているのか?を実測して「電池の持ち」を予測し、充電池にするのが良いのか?、乾電池の方がお得なのか?と判断する材料にしている。

ダミー電池と電極

 工作と呼べるほどのもんじゃないけど…、前も一セット作っていて、断線を起こして、そのままにしていたものを、仕事の合間を使って、作り直していた。

ダミー単三電池

 電池の正極、負極を銅の板で作って直結しただけの単四型電池のダミーと、正極、負極に配線をして引き出した単四形ダミー電池を作った。この単四形のダミー電池を単三のスペーサに入れて、単三型電池が必要な機器の測定に使う。

 たとえば、単三2本を使う機器の場合、正極負極を直結したダミー電池を1つと、配線をしたダミー電池を使う。2本なので、3Vを共有してやれば良い。

 直流安定化電源には、簡単な電流計が付いているので、およその電流が分かる。

 で、さらに正確に測ろうとすると、DMMをつないで測ることになる。

ダミー電池電流測定接続

 sanwaのPC7002台で電圧と電流を測るようにして、そのデータはWindows PCへUSBで転送し、データロガーソフトで記録していく。いちいち、表示を見なくても、CSVファイルで取りこんでくれているので、大体の計測値が分かる。グラフにもできるし。

電流測定用ダミー単三電池

 これは、Bluetoothでつながるワイヤレス高級キーボード HHKB BTだ。ワイヤレスなので、「電池の持ち」がどれくらいなのか?を把握しておきたいものだ。メーカーは、取り扱い説明書に、動作時間として、「アルカリ乾電池使用時の目安 約三ヶ月(当社環境でのテスト値であり、保証値ではありません)」という、ありがちな記載があるだけ。

 テレビやエアコンなどの電池は、2年くらい交換しないので、充電池を使わず乾電池を使う。しかし、アルカリ乾電池で3ヶ月しか持たないというのは、充電池の適用になるんだけど、取説には、対応電池として、(単3形アルカリ乾電池、単3形マンガン乾電池、単3形ニッケル水素電池)記載があるだけだ。

 そこで、今回、キーボードの電池の持ちを正確に予測したかったというわけ。

 HHKB BTに単3形ニッケル水素電池2本をを入れて、何ヶ月持つのか?を、実際の消費電力を測ることで予測することにした。

 電池の電圧は、1.2V直列2本で2.4Vだ。今は、高効率のDC-DCコンバータのチップの良いのがあるので、低い電圧しかでない充電池での安定動作は、できて当たり前みたいなところがある。

HHKB-BTの電流測定

 実際に測ってみると、バリバリとキーをたたいて入力している時には、24mW前後の消費電力を使っていることが分かった。キーに触っていないと、6mW程度のアイドリング状態になる。

 単3形ニッケル水素充電池の容量を1800mAh程度と考えて、それが2本、バリバリと打ち込んでバリバリと入力しまくっている時の24mWを使い続けるとして計算すると、180時間分ということになる。

Nexus-75

 HHKB BTを、一日5時間使って36日か。一ヶ月程度は持つことになる。

HHKB BTに単3形アルカリ乾電池を2本いれたらどうなるのか? 1.5Vを2本直列なので、3Vにして、実際に使って、流れる電流を記録してみる。

HHKB-BT電流測定3V

 電圧が上がる分、電流が少し減って、バリバリ打っている時の消費電力は、24mWと同じことが分かった。あとは、乾電池の容量が分かれば、何日くらい持つのか?が計算できることになる。

 乾電池、充電池を実際に放電してみて、その容量を測ってデータをブログに載せてくれている人が、ググればでてくるので、それらの数値をいれて、計算すると良いだろう。

 しかし、配線した単3のダミー電池は、配線部が横から出ているため、鞘状の電池ケース、例えばLEDライトとかには入れられないのが欠点だ。LEDライトについては、別の治具を作らなければならない。ってか、それが今年の夏のテーマのための、準備になるのか? それともボツになるのか?は、時間さえできればやってみたい。