PS4やWii Uで、オンラインで遊ぶゲームが増えて、ネットでつながったフレンド同士で、直接話をしながら遊ぶようになってきました。また、YouTubeやニコ生、Twitchなどでゲーム実況配信をするのなら、自分の声をマイクで拾うことになります。
今回は、
ゲーム配信などのウエッブキャストに使うマイクの基礎知識と選び方、推奨マイクを紹介します。
マイクについての用語を解説
マイクの正式名称はマイクロフォン
音(空気の振動)を電気信号に変換する機械です。出力はアナログ信号です。ダイナミックマイクとコンデンサーマイク
音を電気信号に変換する方式の違いで、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2種類があります。
ダイナミックマイク
実は、スピーカーはマイクになることを知っていますか?ダイナミックマイクは、スピーカーと同じ構造です。コイルと磁石が近い位置で動くと電磁誘導という原理で電流が流れます。コイルに音の振動を伝えることで、コイルに電流が流れて音を電気信号の変化にします。特長は、
- 安く作れる。
- マイクを動かすのに電源がいらない。
- 感度が悪い。
- 高い音、低い音を拾うのが苦手。
- 構造がシンプルなので丈夫。
コンデンサーマイク
コンデンサー、今はキャパシタと呼ぶ、二つの電極の間に起きる静電容量という電圧の差で電気をためる電子部品です。この電極のどちらかを振動させてやると、静電容量が変化するので、電圧の差が起きます。それを電気信号に変換するのがコンデンサーマイクの原理です。
特徴は、
- 感度が良いものが作れる。
- 高い音から低い音まで幅広い音が拾える。
- 別に電源が必要。→ ファンタム電源
- 構造が複雑なので値段が高い。
- 大きな振動(落下の衝撃)や高温、湿気に弱い。
ヘッドセットって何?
ヘッドホンやイヤホンと一緒にマイクがついているものを、ヘッドセットと呼びます。
ヘッドセットの代表例です。PS4純正のワイヤレスサラウンドヘッドセット(CUHJ-15001)とPS4のDUALSHOCK 4につける純正のイヤホンマイクです。ヘッドホンにマイクが内蔵されています。
マイクとヘッドホン(イヤホン)が一体化しているので、扱いが便利で、コンパクトです。頭に取り付けるので、顔をあちこち向けたり、体を大きく動かしても、口とマイクの位置が変わりませんから、確実にマイクで音声を拾うことができます。ゲームなどのボイスチャット(VC)やゲーム実況をするのなら、ヘッドセットを使うことを、おすすめします。
マイク単体とヘッドホンの組み合わせは、どうよ?
ヘッドセットに付くマイクは、小さく作らなくてはならないので、コンデンサーマイクの高性能なものが付いているのは、高価になりがちです。コストダウンのため、安いコンデンサーマイクがつくので音が悪くなりがちです。
コスパの良い、音が良い、性能重視にするのなら、単体のコンデンサーマイクをスタンドにつけて、口の前に持ってきて、ヘッドホンをしてゲームプレイ実況やボイスチャットをするということになります。
マイクの指向性(しこうせい)って何?
マイクの音を拾う範囲のことを指向性と言います。単一指向性、双指向性、無指向性(全指向性)などがあります。
ボーカルマイクは、単一指向性です。
単一指向性マイク
単一指向性マイクは、一部の方向にある音を拾うマイクです。他の場所からの音は拾いにくいので、回りの環境音、雑音をひろわない特長があります。狙った所の音を録る時に使います。カラオケで使うボーカルマイクは、単一指向性マイクです。カラオケで無指向性のマイクを使うと、スピーカーの音をマイクが拾って勝手に、キーン(ウオーン)と鳴り始めるハウリング現象が起きてしまいますから。
全指向性(無指向性)マイク
全指向性(無指向性)マイクは、まわりの音を全部拾うので、マイクを向きを考えなくて良いという特長があります。まわりの音を環境音、生活音と呼びますが、無指向性マイクを使う時は、環境音が少ない静かな部屋での使用が望まれます。実況用の安いコンデンサーマイクは、全指向性のものが多いので、パソコンのファンの音や部屋のテレビの音、エアコンの音、家族の声、生活音がそのままマイクで拾われる、聴く側からすると、声がそれらの雑音に埋もれて良く聞こえない ということになります。
マイクの端子、コネクター
3.5mm径 4極ステレオミニプラグ
直径が3.5mmのプラグです。イヤホンマイクやヘッドセットには、4極プラグといって、ステレオ左右の音声とマイク用の配線をされたものがあります。
その4極の結線の違いで、OMTP(Open Mobile Terminal Platform)とCTIA(Cellular Telephone Industry Association)の2種類があります。iPhone は、CTIAを採用しているので、今売られている4極ミニプラグ採用のイヤホンマイクやヘッドセットのほとんどがCTIAの4極ミニプラグです。
マイクとヘッドホンが別のプラグになっているものを一つにまとめる変換プラグも「iPhone用」とうたってあればCTIAの結線になっています。
標準プラグ
6.3mm径のプラグです。3.5mm径のミニプラグの親分です。元々、プラグはコレでした。だから「標準プラグ」って言います。「標準」だと太く大きいので、今は電子楽器やミキサーなどの本格的な音響機器用途のものだけになってしまいました。
キャノンXLRプラグ
ダイナミック型のボーカル用マイクやファンタム電源48Vが必要な本格的なコンデンサーマイクに採用されています。カメラのキヤノンとは表記が違うので注意してください。
周波数特性
低い音から高い音のどれくらいをカバーしているのか?という目安です。カタログに記載されている数値と実際に測定する数値は、違うことも多いので、測定できる道具を持っている人は測ってみると面白いと思います。
人間の聞こえる音の範囲は、40Hz〜17000Hzと言われていて、年を取るほど狭くなります。そもそも、人間の声は80〜1000Hz程度なので、人間の声を拾うマイクなら、50〜3000Hzほどあれば十分です。
マイク感度
dB(デシベル)で表記されます。1パスカルの気圧変化(空気の振動)が起きる大きな音を1Vとして起算して、マイク側で何ボルトの電気がでるのか?で計算します。マイク側は、〜200mVと小さな電圧で出力するので、デシベルはマイナス表記になります。同じ音を拾って出力できる電圧が高い、つまり、数値が大きい方が感度が良い(-42dB<-38dB)ということになります。-50dBとか、感度がかなり悪いと思って良いでしょう。
感度が良すぎても、いらない音まで拾ったりノイズを拾ってしまいますから、マイクの音量調節、オンオフができるミキサーがあると便利です。
マイク以外の付属品について
スタンド、フード、ケーブル長、USB変換アダプタ、付属ケーブルの端子(コネクタ)の形状をチェックしましょう。足りない物は、あとから追加して買います。
USBオーディオインターフェイス
パソコンやゲーム機などからの音を出し入れするための音響機器です。
ゲームの実況をするのに、ミキサーのついたUSBオーディオインターフェイスは持っていないと、かなり不便だと思います。
USBオーディオインターフェイスでできることは、
- 電源が原因のブーンというコモンノイズがマイク音声に混じるのを軽減できるかも。
- マイクからの音の強弱、オンオフができる。
- ゲーム音楽、自分で用意しているBGMなどを混ぜて、配信したり、録画する音声に入れたりと自在できる。
私は、スタインバーグのUR-12、TASCAMのUS-366、YAMAHAのAG03 を持っています。
使いやすいのは、YAMAHAのAGシリーズですね。余裕があればAG06をおすすめします。
前置きが長くなりましたが、以上を踏まえて、
Amazonで人気のマイク、おすすめ厳選5種類を解説
ELECOM エレコムK HS-HP22SV
私、一番のおすすめ、ヘッドセットです。
千円以下でAmazonで買えます。ヘッドホン側の音も価格の割には、ほど良く、マイクも値段の割にまともに音を拾います。
イヤホン、マイクの分岐コネクタと一緒につかうことで、PS4のDUALSHOCK 4のイヤホンマイク端子に挿して使えます。もちろん、スマホやタブレットのヘッドセットとしても、非常に有効に使えます。
SONY ECM-PCV80U
ヘッドセットでない、スタンドにつけて使うマイクの一番のおすすめです。
ECM-PCV80Uは、ボーカルマイクの形状をしています。 手に持って歌うこともできます。
単一指向性マイクとして、正面だけの音を拾うように絞れていますし、マイクの音自体も良いです。
特筆すべきは、付属品にPS4のUSBに挿して使えるAudio BoxというUSBオーディオインターフェイスも付属していることです。驚異的なコストパーフォマンスの良いマイクなので、おすすめです。ただし、付属のマイクスタンドはオマケ程度のものなので、別にマイクスタンドが必要になると思います。
これも、詳しくレビュー記事を書いているので参照してください。
iBUFFALO マイクロフォン
安いスタンド付きのマイクとして、BSHSM06WHという定番商品がありましたが、同等品でBSHSMPM01WHがでています。Amazonでも千円しません。
マイクがついていないデスクトップパソコンにさして使うためのマイクとして、昔から人気があります。
性能、スペックと共に、コストパーフォマンスの良いものです。
とりあえず、ヘッドホンかイヤホンを持っていて、お金をかけずにマイクだけを付けたいと言う人向けです。
なお、スピーカーを使って音を聴きながら、実況をすることは、こういう全指向性の机の上に置くマイクでは、エコーがかかった音声になって使えません。
端子、ケーブル:3.5mm3極ミニプラグ / 2.0m
周波数特性:30Hz〜10000Hz
指向性:全指向性
感度:-42±3㏈
SONY ECM-PC60
SONYのコンデンサーマイクです。クリップがついているので、服につけてピンマイクみたいに使えます。
偽トロで3DSのプレイ動画でプレイ中の解説を録音するときとかに良いと思います。
スペック的に申し分の無いものです。スポンジの防風キャップを被せて使うと鼻息のノイズが軽減します。
端子 / ケーブル:3.5mm3極ミニプラグ / 1.2m
周波数特性:50Hz〜15000Hz
指向性:全指向性
感度:正面(0dB=1V/Pa)、-38dB±3.5dB
付属品:小型スタンド、ホルダークリップ、延長コード
audio-technica ダイナミック型ボーカルマイクロホン AT-X11
端子 / ケーブル:キャノンXLR、ケーブル5.0mm径、6.3mm径2極標準プラグ、3.5mm径ミニプラグ2極
周波数特性:80〜14000Hz
指向性:単一指向性
感度:正面(0dB=1V/Pa)、-55dB、出力インピーダンスが500Ω!
仕様から分かるとおり、これは、マイクミキサーアンプの付いたオーディオインターフェイス無しでは使えません。レビュー記事はこちら。
まとめ
パソコンでマイクを扱うためには、USBのオーディオインターフェイスをつないで使うことを強くおすすめします。理由は、マイクに混入するノイズの軽減、マイクの音が大きい、小さいというトラブルの軽減、音質の向上があります。
コメント