前回の腰痛(坐骨神経痛等)、頸椎症、肩こりを予防する方法の紹介の続きです。座り仕事(座位での仕事)が多い人がかかえる、腰痛や坐骨神経痛、肩こり等の不快症状を解決する、安価で入手性の良い椅子を紹介します。もちろん、ブロガーや受験勉強のお子さんの椅子としても集中力がアップするので、おすすめです。

 いつもの通り、結論から、

3千円で売られている安い事務椅子(OAチェアー)の背板、背もたれ部分を取り除いた椅子に、逆に座る。

腰痛防止椅子

  写真で見ていただければ、直ぐ分かると思います。

腰痛、座骨神経痛、肩こり対策椅子の作り方

用意する物

 どこのホームセンターでも売っている、一般的な事務用椅子、OAチェアーで、アームレスト(腕かけ)の無い安物。3千円前後。

作り方

  1. 新しく買った場合は、背もたれになる部分を取り付けないで、下のキャスターとガスシリンダーとそのカバーをつけて、椅子部分を乗せるだけで完成。
  2. すでに背板がある場合は、ひっくり返して、背板とフレーム部分をねじを緩めて外すだけ。

使い方

  1. 背板のついていた側を前にして座ります。
  2. 大腿部(太もも)が下に傾斜した形で座るので、やや前傾姿勢になって足が床にしっかりと付きます。
  3. 前傾姿勢っぽくなったところで、体を起こすと自然と背筋が伸びます。
  4. 椅子の高さを調整して、足がしっかりと床に付く高さにします。今までより、高めになると思います。
  5. あとは、机側の高さ、キーボードやディスプレイ、他ハンドツール類の高さの調整をします。

使用上の注意と免責

  • メーカーの意図しない使い方であり、私も一切の責任を負えませんので、すべては自己責任の自己管理でお願いします。
  • 浅く座るとキャスターのため、後に椅子が動いて、スッ転びますから、椅子は手で押さえてゆっくりと座ってください。
  • 必要に応じて、キャスターストッパーやフットレストを使ってください。

前傾姿勢の椅子が、腰痛や肩こりに良い理由

 人間は同じ姿勢をとり続けることで、いろいろな障害を起こします。寝ている時も寝返りを打ちます。じっと座っている人も、寝ている人と同じです。立ったり、座ったり、座り直しをしたりすることで、足や腰の筋肉の緊張をほぐし血流をあげることで、諸々の問題を回避するようにできています。筋肉は使わないと廃用萎縮を起こして、ペラペラの紙テープのようになってしまいます。

 ふんぞり返って座る、大腿部(太もも)が、股関節より膝が上に来るような姿勢は、腰の骨(仙骨)が飛び出る形になるので、好ましくない形になります。長い時間そのままだと、問題が起きてきますから、座り直しを頻繁にするようになり、それはそれで、集中できない、不安な座りごこちになります。

 「くつろいで座る」のと「作業をするために座る」のとは、別です。猫背にならない前傾姿勢を保つことで、 腰痛、肩こり、頸椎症を回避できます。

 体重は、大腿部にかかり、姿勢を保つ筋肉が立位に近い形で機能することで、腰椎の負荷が減り、坐骨神経痛になるのを防止します。

 S字チェアー、バランスチェアーと呼ばれるものと原理は同じですが、半額以下で実現できます。

椅子の上であぐらをかけることも重要。

 大切なことなので繰り返します。「人間は同じ姿勢を長く続けると故障します。だから、時々、姿勢を変えることが重要です。」ということで、椅子の上であぐらをかけることが大切な要素になってきます。私が推奨する、事務椅子の背板を外して逆向きに座る方法では、あぐらが楽にかけるはずです。やって見てください。

 女性でもスカートをたくし上げれば、この椅子の上でアグラができます。大きめの膝掛けかブランケット、タオルケットで腰まで覆えば、ぱっとみためで、アグラ姿とは気がつきません。あぐらをかくと、背中は猫背風に曲がってしまいます。でも、普段の座る姿勢で使う筋肉とは別の筋肉を使うので、これもリラックスにつながります。(リラックス方法と睡眠の話は別の記事シリーズを書きます。)

 キャスターによる椅子の移動や回転が不用意に起きると、ビックリして腰の筋肉を痛める、ぎっくり腰の原因になりますから、頻繁にアグラをかく人は、キャスターストッパーを使いましょう。

あぐらをかいた状態でツイストすれば、まるで遊園地のコーヒーカップ

 作業に行き詰まった時、あぐらをかいて一旦休止。保温カップのコーヒーをすすって一服しつつ、気分転換に、腰をねじって運動してみましょう。くるりと一回りしたころには、良い気分転換になっているか、ぎっくり腰になっているかです。無理をしない程度にやってみましょう。

 机の引き出しや足に膝小僧をぶつけないように、机から少し離れてツイストするのがコツです。

椅子の背板を使って、後にふんぞり返るのは危険

 背伸びをするときは、立って、軽く体操がてら、体を動かして、後に反り返るなりしてください。

安物のOAチェアーばかり愛用している私は、ふんぞり返って背伸びしていたら、突然背板のアームが折れて、その折れた鉄フレーム部分が背中に刺さるという事故に遭いました。幸いにも服が破れて背中に皮下出血ができた程度で済みましたが、尖っていたら背中に突き刺さり腎臓をえぐられて即死だったでしょう。

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