夏は草刈り、秋は祭、そして年末の大掃除などで体を動かすと、数日してから、ひどい筋肉痛に悩まされるおっさん、おばちゃんが多いと思います。筋肉痛を和らげる方法は前回書いたので、今回はプロテイン(アミノ酸)について、その種類や考え方、選び方を解説します。

 まず、結論から言うと、

筋肉の維持と増強に必要なプロテインは、脱脂粉乳で補給します。

 脱脂粉乳、スキムミルクが体に良いことは、大戦後混乱期からの70年前から実証されています。私が中学生の頃から理科の先生が口癖のように言っていました。大学に進学し、予防医学の教授の講義でも、脱脂粉乳のもたらす可能性について熱く語られていたのを思い出します。

 学校給食に脱脂粉乳が出された世代が、今の日本の繁栄を築き、長寿高齢化して日本の平均寿命を引き上げる結果になっています。

 ドラッグストアや通販などで売られているスポーツをする人が筋肉の維持、強化のために飲むプロテインとよばれる食品(医薬になると薬事法で、資格免許をもった人以外は扱えない)の成分は、すべて脱脂粉乳に含まれています。というか、「実は脱脂粉乳です」と正直に言って売ったら高く売れないし、飲んでもらえないんですよ。

 だから、現在、ネット上であふれている、「初心者のプロテイン選びは?」とか「もっと強く大きくなれるプロテインとは?」威勢の良い言葉で、スマホでインターネッツをはじめた情報弱者をカモにしようと煽っているアフィリエイタ達の記事を見かける度に、こんなのに、騙されるヤツがいっぱいいるんだろうなと思ったので、記事にしておきます。

プロテインというのは何?

 筋肉に必要なタンパク質のことです。タンパク質は、アミノ酸という分子できているので、アミノ酸もプロテインも同じです。

 筋肉を動かすエネルギーは、糖質と言って炭水化物と、脂肪(油)です。

プロテインを選ぶ判断基準とは?

 脱脂粉乳ですから安いです。とにかく価格は安いです。なぜなら、今高騰しているバターやチーズを作った後の残りを水分をとって乾燥したものですから。昔、生乳が生産過剰の頃は、そのまま排液として捨てていたんですよ。

 脱脂粉乳の最大の欠点は、水に溶けにくく美味しくないんです。だから、コーヒーやイチゴ味やチョコの味を混ぜて飲むようにしなければなりません。

 水に溶けやすいように加工して、味を付けたものが、現在、いろんな種類で売られています。もともと廃棄物として捨てていた物を加工しているので原価はとても安いのですが、なぜか非常に高い価格で売られているという、ボッタクリな不思議な商品です。

プロテイン 脱脂粉乳に含まれる主な成分の種類とは?

ホエイ

 牛乳を遠心分離機にかけると、上澄み液ができます。それをホエイといって、昔は捨てていました。実は、この中に、有用なアミノ酸やミネラル等の栄養素が含まれていることは、昔から知られていましたが、分析器の性能が悪くて、何が含まれていて、どういう構造のものが、何に効くのか?が、わかっていませんでした。

 ここ数十年で、研究用の機材、方法が飛躍的に向上したので、ホエイの有用性がわかったのと同時に、ホエイをスポーツ用プロテインとして加工販売することで、莫大な利益を生むことが分かり、メーカーがこぞって商品を出しています。

 筋肉を破壊するほど激しく使ったあとは、筋肉の速やかな修復を促すために、運動後の20分以内に飲めというのが、このホエイ成分です。

 水溶性の成分が多いので、水に溶けやすい性質があります。

カゼイン

 ホエイより分子構造が大きく、加工食品の添加剤としてよく使われます。プラスチックの樹脂製品や繊維の原料としても使えます。

 カゼインは、リン酸化タンパク質なので、リン酸カルシウム つまり骨と深い関係がある成分です。

 薬の錠剤にも使われることが多かったんです。でも、カゼインはアレルギーの原因タンパクとしても、よく知られているものなので、牛乳アレルギーがある人は、カゼイン(α型)に対してのアレルギー反応がでます。

牛乳アレルギーのある乳幼児に飲ませるミルクなどは、カゼインの成分を調整してあります。

大豆(ソイ)タンパク

 豆乳です。畑の肉といわれる大豆を茹でで、すりつぶしたものです。植物性タンパク質といえば大豆です。豆乳を買ってきて直に飲んでも良いです。大豆は種ですから、それなりに脂肪分も豊富ですので、その分運動をして消費しなくてはいけません。

 大豆イソフラボン(イソフラボノイド)という成分が含まれています。これが、女性ホルモンのエストロゲンに構造がよく似ているので美容に良いと言われています。それって、「薬事法的に違反にならないように微妙な表現で売ろう」という業者の意図がミエミエです。昔から、大豆由来のイソフラボンのエストロジェン作用について懐疑的な意見が多く、m3等の情報を検索、チェックしても、それをはっきりと立証した研究成果の発表を私は未だに目にしてません。

 そもそも、女性ホルモンとして働くのであれば、月経周期に影響を与えるため、女性はいつでも安心して摂取できないことになりますよ。 

 ですから、「大豆イソフラボンが美容に良い」と断言しているとしたら、その人は怪しいです!過去の記事にさかのぼって、エビデンス(化学的根拠に基づいた)に乏しい嘘八百の可能性があると警戒してください。

 豆乳と脱脂粉乳をコップ一杯ずつ毎日飲んで、ガンガン歩く、息が上がるほどの運動を20分以上していれば、健康を維持できるはずです。でも、なかなか実行できないんですよね。

プロテインをどう選ぶのか?について整理すると…

 価格が高ければ、高い分だけ筋肉がつくわけではありません。

 しょせん、牛乳由来のプロテインは乳成分を取り出したあとの上澄み液です。二束三文の産業廃棄物だったものを精製して、香りをつけ甘味料を加え飲みやすくしたり、成分を調整したりした「加工食品」なのですから。

 プロテインは補助食品として扱うものなので、一日三食、四食が、牛乳を飲んで筋肉を培うのに十分な栄養素とエネルギーを得られる充実した食事ができるのであれば、わざわざプロテインを飲む意味はないんですよ。

 ただし、人間の心理として「迷ったら高い方」という見えっぱりな人ほど、自分の体を鍛えたい、筋肉もりもりにしたいという願望が強くナルシシズムの持ち主が多いので、高い値段にした方がよく売れるからです。

自分はなぜプロテインを飲んでどうしたいのか? 目的とゴールを決めておきます。

 スポーツ選手、筋肉を激しく使う肉体労働者など、強い骨格筋を使って仕事をする人と、事務職で、ダイエットや健康維持のために という人では、食事、栄養の取り方が違います。だから、プロテインも飲み方が全く違ってきます。

 老年期にはいる私のようなおっさんは、日々衰える筋力を衰えないように、適度な運動をして、筋肉の材料になるタンパク質を多めに摂るということになります。

筋肉は、何歳になっても鍛えれば増強できます!

 2016年4月20日放映のNHK【ガッテン! 「結果にコミットー!効果2倍の筋肉UP術」】で、インドの筋肉村についての話がでてきました。筋肉は、免疫力アップ、水分の保持、体温の維持、姿勢の維持等、健康に必要なモノをもたらします。まさに「筋肉はすべてを解決してくれる」。

ガッテン筋肉増強 ガッテン筋肉増強1

 インドの筋肉村の男達は宗教上、肉を食べることができませんが、牛乳は一日2リットル以上と十分過ぎるほど摂っています。
 筋肉増強のためには、筋肉を使った後、タンパク質と糖質(少しの砂糖)を一緒に摂ることで効率よく筋力をアップすることができることは証明されています。ただし、乳脂肪分(バター、生クリーム成分)は、我々日本の事務職レベルの労働をしている人間にはカロリー過多になるので、脱脂粉乳が良いということになります。

美容に良いか悪いか? 

 そもそも美容に関するものって、都市伝説やオカルトなものしかありません。

美容と言えば、アンチエイジング。

 つまり、加齢を止めて若返ることです。

 老化を止めるためには、サーチュイン遺伝子を活性化する必要があります。腹半分目で、厳しいカロリー(食餌)制限を行い、人間の体を常に飢餓状態一歩手前に追い込まないかぎり、その長生き遺伝子にスイッチが入りません。さらに、その飢餓状態を常に維持し続けることは、飽食の時代と言われる現代に生きていく上で、相当なストレス、精神的負荷がかかります。

 強い精神力の持ち主だけが維持できるものなのです。楽して、サーチュイン遺伝子をオンにできる薬も開発されていますけど、儲かる薬なので、高いでしょうね。

 コラーゲンもタンパク質ですので、食べたところで、腸で消化され吸収されますが、皮膚のたるみやしわを伸ばす効果は、ほとんどありません。皮膚に塗っても浸透しませんから意味がありません。効果が無いからこそ、売れる商品が、ヒアルロン酸だったり、コラーゲンだったりするんです。

ビタミンBやカフェインなどの添加物も効果はありまぁす。

 カフェインは、アルカロイド系の覚醒と強心作用を持つ成分だけど、抗利尿作用を使って体のむくみを取ることを期待して、添加してあるものもあります。

 ビタミンBは神経系の賦活、痛み緩和、疲労感の早い回復を期待して添加されています。

 他にも、プロリン、グリシン、アラニン、グルタミンという細胞のエンジンであるクエン酸回路に必要なアミノ酸成分、オルニチン、イミダペプチドなど、生化学の圧倒的な進歩により、アミノ酸が、細胞の代謝で何に効果的に効くのか?が分かってきていることから、どんどん、使われるようになっています。

 でも、すべては、栄養素の偏りのない食事を摂っていれば、摂取できるものなので、筋肉が崩壊するほど運動していないのに、プロテインやアミノ酸やビタミンを摂っても、意味が無いことになります。

で、

結論は? プロテインって飲んで良いの?

 筋肉が壊れるくらい、つまり、数日後筋肉痛になるような運動や作業、仕事をしたら、コップ一杯脱脂粉乳(少しの砂糖入り)を飲めば良い ことになります。自転車通勤の人は、毎食飲むと良いでしょう。当然のことながら、肥満気味の成長期の子供や、賢い人は、すでに飲んでいると思いますが?

 マズい脱脂粉乳は、学校の給食で出てくる牛乳嫌いのために作られた(加える砂糖の代わりに)フレイバーをいれて飲むと良いでしょう。私も、ミルメーク無しでは脱脂粉乳が飲めません。コストは計算してみてください。缶コーヒーを飲むより安いです.

裏山(ビル)の見晴らしの良いところまで駆け上がって、そこでミルクコーヒーを飲む仙人をイメージしましょう。

 スキムミルクは冷蔵庫で保管する必要はありません。保存性の高い食品です。砂糖とインスタントコーヒーの粉末をあらかじめ混ぜておいて、お湯をポットに持っていくか、バーナーと鍋のセットと水(雪や沢の水は重金属が含まれていて飲めない)を持っていて、休憩がてら、ミルクコーヒー(少しの砂糖入り)を入れて飲みます。そして、駆け下ります。

 玄米と野菜や鳥や魚を少しだけ食べ、野山(二駅前から降りたり、ビルの階段)を駆け巡る仙人のような生活をすれば、今で言う細マッチョな体になり、健康になると昔から言われています。

 学生の時の講義で、当時、非観血的治療(抗がん剤も放射線治療も)に決定打になるものが無かった時代に、全身に転移した癌を兵糧攻めにするため、菜食主義に切り換え、スキムミルクを口にするという民間療法は、医学的に有効であることが証明されていない(エビデンスが無い)とされていました。

 あれから三十年、飢餓状態で発動するサーチュイン遺伝子の解明、癌の種類によっては、なんらかの自己免疫で押さえ込むことができるものもあることから、「治療のため」よりも「日頃の予防医学的見地から」無視できないことが分かってきています。

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