アレルギーの発症機序にかかわる数々の免疫細胞のうち、アレルギーの反応をコントロールする働きをする制御性T細胞(regulatory T cell)の発見。
t-regu 坂口センセ
 阪大の坂口志文センセの業績だ。

 これによって、アレルギー治療はブレークスルーとなる可能性が高いと言われている。これを利用して治療体系ができればノーベル賞級。
 こういうタンパク質の構造を短期間で分析できるようになったのは日本の分析器の劇的な進化によるものだ。
アレルギー


アレルギー予防をまとめると
  • 半年〜3歳までの乳幼児を馬や牛等の家畜の糞とふれあう環境に置くこと。
  • 妊娠中、授乳中の母親は好き嫌いなく何でも食べて良い。(アレルギーがあるものを除く)
  • 離乳食で、いろんなものを食べさせて減感作的に食物アレルギーを起こさないように。
 もちろん、アレルギーを発症してしまった子供への食事(アレルゲン)の与え方は専門医に相談してからになる。

 どこぞのWordPressのアフィーブロガが、腸内細菌に良い乳製品を食べたら花粉症が良くなりました!とか、花粉症が治りました! と、オカルトな話をやってんだけど、まー、アレだ。大人になってからのアレルギー治療は減感作しかない。無駄に清潔に育てた親と育った都会の生活環境を恨みなさい。

 で、欧州の研究で随分前から、乳幼児の頃に家畜の糞に含まれる細菌の菌体外毒素に触れていると、花粉アレルギーになりにくいという疫学的データが話題になっていた。
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 そりゃ、これだけ牛や馬の糞の粉末を吸い込んでりゃ、最初は熱がでるくらいの免疫が働くわな。

 生後半年で、母親から受け継いだ免疫システムが無くなり、自分の胸腺を使って自力で免疫システムを構築する時期になる。そこで、人間の進化と共に進化してきた牛や馬、ブタ、ヤギ、鶏、イヌ、猫… 家畜の糞の粉末が埃となって飛び交う環境に居なきゃいけないってことなんだよな。
1960s
 1960年代以降で花粉症が増えたのは、家で牛や馬を飼わなくなったからだ。というのは、ここ十年くらいの定説になっている。
 (番組では触れられなかったが)日本では水洗便所と浄化槽の普及により、屎尿を発酵させて畑にまいて肥料にするということもなくなった。その結果、ギョウ虫に感染する子供が激減していったのと重なっているという説もある。

 杉林が花粉アレルギーの直接の原因であることには間違いないが、人間側にも問題があるってことなんだよね。

 ワシらに関係があるのは、若いときは何とも無かったのに、年取ってから突然アレルギーになるという症例、とくにアナフィラキシーショックになるのがヤバい。エピペンを持ち歩かなきゃならなくなるからな(笑)。

 乳幼児の頃に湿疹へ塗り込んだ保湿剤にピーナッツオイルが含まれていたために、大人になってピーナッツアレルギーになってしまったという報告がある。
 他にも、(番組では触れられていないが)金属アレルギーの原因になるのが、ピアスや歯の歯ぐき付近につめたアマルガム(水銀合金)。炎症のある状態でピアスをする、メッキされたブレスレットやネックレスが汗で溶け出し擦れた皮膚から浸入、歯ぐきが炎症が起きているところに水銀合金が常に触れている… まさに尖鋭感作。
 皮膚や気道から、アレルゲンになり得る余分なタンパクや金属イオンが入らないように気をつけるってことが重要。

 最近だと、ナントカのしずくという石けんに小麦由来のタンパクが入っていて、まじめに毎日石けんを使って洗顔した人が小麦アレルギーになったため、回収するって話があったよね? すべては、ガキの頃に親が免疫細胞を正しく育てる様に配慮しなかったツケなんだよねー。
 1960年代以降に生まれた人が、相対的に多くなるので、各種アレルギーを発症する人は減ることはない。

 とりあえず、減感作療法しかないわけで、舌下免疫療法は統計学的に有意差がでてくるんだけど、効果の無い人に対しての対策が求められていた。

 で、Tレグを増やす方法は無いのか?
 特別なお米を食べるだけという方法。花粉症の原因である花粉のタンパクの感作部分を遺伝子操作で作ったお米を食べるっていう…。花粉症対策お米が販売されるまで、5年くらいか。
 それぞれのアレルゲンの感作部分のタンパク構造の同定と遺伝子操作で組み込むお米の開発…、気の遠くなるような時間とコストがかかる。
 せめて、これから生まれてくる子供だけでも、まともな免疫を持つように育てるしかあるまい。

 乳幼児の子供を持つ親には、山羊や牛や馬がいる畜産系農園へ遊びに行ったり、家庭菜園(プランターでも可)のが良いとされている。

牛糞とおがくずを混ぜた肥料を土壌の改善に使うので、ちょうど菌体外毒素に触れることができる。

 15リットル300円と安いからね。
 鶏糞はマジで臭いので都会のプランターは無理。葱とか、これからの季節だとプチトマトとか、日の当たるベランダさえあれば、鳥害対策で網を張るとか手間はかかるけど可能だ。もちろん、自分で作るから無農薬。

 最近は、狂牛病、口蹄疫、鳥インフルエンザ等で、身近に触れあえる環境に家畜が飼育されているところが減ってきているから、連れて行く親としても大変なんだよ。→ って、ワシら田舎ですら、天気の良い連休は、畜産系農園施設は乳幼児をつれた親子でごった返している。
 乳幼児を預かる施設保育園で、山羊や馬や牛を飼うことを義務づけるとか政府がやりゃいいんだろうけど、簡単にはできないからな。

NHKスペシャルは、再放送があるので、見逃した人は、自動録画に入れていくのをオススメしたい。番組名や放送局別で検索予約がない録画機しか持っていないのであれば、NHKの番組表を毎日チェックするしかない。

実は、ワシもいくつかアレルギーがあって、その対策については、いろいろウンチクがあるので、また別の記事で書きたい。