☆PS4 Proの内蔵HDDを2TBのSSHDに換装し、初代PS4の500GBのHDDをPS4 Proの1TBのHDDに換装した記事は、こちらからどうぞ。【2017年1月30日追記】

以下、少し古い内容です。

 PlayStation 4(以下PS4と略す)が、今月末に届くにあたって、交換用HDDを検討している。

 PS4は、ゲームソフトのディスク版もダウンロード版と同じように、内蔵のHDDに一度書き込んでから、起動できるようになるので、ディスク版を買ってもロードする時間で、やたら待たされることはなくなる。

 さらに、キャプチャーやプレイ動画の録画機能もあるので、500GBではすぐに足りなくなるはず。HDDの換装はPS4ユーザにとって、避けて通れない問題だと思う。そこで、ワシは、PS4のHDDの物色をしている。

 PS4が要求するHDDの条件(スペック、spec)は、すでに先行して発売されている海外での数多くの情報をみていると、PS3と同じで良いようだ。

 アメリカのPlayStationサポート公式で、how to upgrade your PlayStation®4's Hard Disk Drive (HDD)として、

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Supported HDD

Only the following type of hard disk drive (HDD) is offically supported with the PS4:

2.5 inch (internal type) *1

Serial ATA (Parallel ATA is not supported)

*1 Proper operation is not guaranteed for all models.

While other drive types may work, we only recommend using offically supported drives with your PS4 system. 

と記載されている。

 さらに、日本語の公式ページには、

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内蔵HDDは換装できます。
外付けHDDは利用できません。

PS4™には、回転速度5400 RPM、インターフェイスSATA IIのHDDが内蔵されています。
HDDを交換する際は、厚さ9.5ミリ以下、容量160GB以上のHDDをご使用ください。
※全てのHDDの動作を保証するものではありません

とな…。外付けHDDがつながらないって、Jailbreakの突破口にならない対策だね。

 つまり、PlayStation 4に搭載できるHDDは、厚さ9.5mm以下のSATA接続の2.5インチのHDDで、160GB以上 ってことだ。1TBの上限制限の記載はない。接続インターフェイスが、旧来のSATA2(3Gb/秒、実効300MB/秒)なので、SSDの速いの(6Gb/s、実効600MB/秒)をつないでも意味が無い。

2.5インチのHDDは4種類ある。

2.5インチのHDDには、大きく分けて
  1. 従来のHDD(ハードディスクドライブ)で5400回転/分
  2. 従来のHDD(ハードディスクドライブ)で7200回転/分
  3. SSD(ソリッドステートドライブ)
  4. SSDとHDDを組み合わせたSSHD(ソリッドステートハイブリッドドライブ)
の四種類がある。
 とりあえず、Amazonで買える代表的な定番の2.5インチのHDDを3つ買ってみた。

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HGST Travelstar 0S03565( 2.5inch 1TB 7200rpm 32MB SATA 6.0Gb/s) 、MQ01ABD100H TOSHIBA2.5HDD (1TB,5400rpm,S-ATA,8GBフラッシュ)、SanDisk SSD UltraPlus 256GB 2.5インチ SDSSDHP-256G-G25AZ

500GB超のSSDは高くて買えない。

 PS4には元々500GBのHDDが入っていて、これを上回る容量のHDDと交換する必要がある。

 SSDがアクセスが高速で、発熱も少ないので理想的であるが、500GBを超えるSSDは、非常に高価なので買えない。

 あきらめた。

HDDは、毎分5400回転が良いのか?7200回転が良いのか?

 結論から言えば、PS4の交換用HDDとしてのオススメは毎分5400回転の2.5インチのHDDだ。
  理論上、読み書きの速度が速いのは7200回転/分(以下「回転/分」を「rpm」と略す)の方だ。おそらく、7200rpmと5400rpmの違いは、PS4に入れて使っている限り、その差を体感できることは無いだろう。それくらい僅かな差だと思って良い。
 となると、焦点は発熱だ。HDDの消費電力をHDDのケースに入れて電流を計ることで、推測できる。
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 SSDは回転するモータがないので、5V/0.3Aと、通常のHDDの半分以下の電力しか食わない。

ssd

↑SSDは、書き込み中でも0.3A。アクセスがないと、ほとんど電気を食わない。

7200

↑7200rpmのHDDは高回転でモータを回すために、回転させる一発目で電気をドカーンと使い、その後もSSDの倍の電力(0.6A)を使いつづける。単純計算で発熱量はSSDの倍。

hybrid

↑ハイブリッドHDD(8GBのSSD+5400rpmのHDD)は、SSDにアクセスする間はいいけど、8GBを超えるデータを読み書きするときは、普通の5400rpmと同じ電力(0.6A弱)を食う。
 HDDの温度上昇は、7200rpmの方が大きい。こういうベアドライブで表面温度を測定するのは、室温や条件で安定しないが、だいたいの目安にはなる。
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5400rpmのHDDとくらべて、500GB程度の巨大ファイルを書き込みをさせてみると、7200rpmの方が熱くなることは確認した。

PlayStation3の故障の原因は筐体内部の高温化と冷却不足だった。

 Microsoftのゲーム機Xbox 360の3割以上に発生すると言われる故障はRRoD(Red Ring of Death)と呼ばれた。PS3ではYLOD(Yellow Ling Of Death)と呼ばれて、頻度はXbox360程では無いものの、それなりに起きている。
 この故障の機序と原因は、ゲーム機を使用するときの高温と、使わない時の低温が繰り返されるサーモ・サイクルによるハンダ・クラックである。
 使わない時は室温と同じで、使用時は90度近くまで上昇するサーモサイクル、低温と高温が毎回繰り返されることで、基板の熱膨張と収縮が毎回起きている。熱膨張と収縮が基板に与える影響は大きく、最近の鉛を含まないハンダはとても脆くて、ヒビが入ってしまう。ヒビが大きくなり、基板の部品の接触不良が起きて故障する。
 これは、ゲーム機に限らずパソコン、とくにノートブックでも頻繁に起きる故障の原因でもあり、MacBook Proのグラフィックのリコールになった故障としても知られている。
 このサーモサイクルの故障を軽減する方法は単純明快で、高温にならないように冷やす、氷点下になるような環境に置いて電源をいれて使うような使い方をしない。とにかく本体内部の温度差をできるだけ小さくするようにするしかないのだ。

SSDとHDDのハイブリッドHDDをワシは試すことにした。

 SSDの速さとHDDの大容量で安価であるというメリットをつなぎ合わせたハイブリッド型のHDDもでてきているので、今回のPS4への交換用HDDは、これにしてみようと思っている。
 今回買ったMQ01ABD100H TOSHIBA2.5HDD (1TB,5400rpm,S-ATA,8GBフラッシュ)は5400rpmの1TB分のHDDに、ディスクキャッシュとしての部分にSSDのフラッシュメモリ8GB分を付けたものだ。

 8GB以下の小さいファイルを連続して読み書きする場合はSSD並に高速に動作し、それ以上の大きなファイルの読み書きをする場合は、普通の1TBのHDDとしてアクセス速度は遅くなってしまう。

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 書き込み速度も、シーケンシャル(ムービーファイルのような連続した)・ファイルをコピーしてみると、最初の数GBは140MB/秒以上で高速だけど、そっから先は110MB/秒が上限で、普通の5400rpmのHDDになってしまう。
 だから、8GB分で小さいファイルを何度も読み書きするランダム・アクセスの場合にはSSD並の性能がでるってことだ。
 ただし、PS4は、プレイ動画をドライブレコーダのように直近15分間を撮り続けているので、こういうハイブリッドHDDの8GB分が生きてくるか?は謎だ。
 ってことで、コストパーフォマンスを最優先するなら、5400rpmの1.5TBのHDD(HGST Travelstar 2.5inch 9.5mm HTS541515A9E630 1.5TB 5400rpm 6.0Gb/s 32MB SATA)を選択するのも良いかもしれない。 → たぶん買う。
 それでも、ハイブリッドHDDの消費電力は5400rpmのHDDとほぼ同じで、8GB分の大きめのディスクキャッシュが付いたものと解釈すれば良いだろう。

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 現在、Macにつないで、書き込んだり、読み出したりとテストしているが、とくに速度が極端に低下するような「プチフリ(プチ・フリーズ:断続的なfreeze現象)」を起こすこともなく、普通の1TBのHDDとして使えている。

 それにしても… 送料込みで1万円を切る東芝のハイブリッドHDD MQ01ABD100Hってさ、SSDやメモリと同じで、郵便で来るんだよね(笑)

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 ま、コレで壊れることは、ほとんど無いと思うけど、頭の固いジジイ連中は、こういうパッケージで届くと、梱包をケチりやがって!と怒るかもしれんね。簡易パッケージ化がAmazonも進んでいるので、ここ一年くらい、明かな過剰包装で届くことは無くなった。
 ということで、ワシは、ハイブリッド型HDDをPS4に入れて使う事にした。また、交換については簡単にレポするけど、これ以外にといっても、東芝と日立系のHGST以外、シーゲートは、過去の経験上信頼性にやや欠けるので、「Seagate Laptop SSHD 2.5inch SATA 6Gb/s NCQ 1TB 64MB 5400rpm SSD ( 8GB MLC ) + HDDハイブリッド ( 9.5mm ) ST1000LM014」は、今回試さない。

  なお、PS4は、外付けのHDDを接続出来ない。PS4の純正HDDを換装したあとの余ったHDDは、外付けHDDケースにいれテレビの録画用のHDD等、いろいろ使える。

 一番のオススメは、Wi-Fi SDカードリーダにつないで使うのが良い。

 PS4では、torneに対応せず、メディアプレーヤ機能もばっさりと省かれているところからも、音楽や動画をため込んで っていう使い方を目指していないようだ。

strage

 素のPlayStation 4のHDDは500GBで、残りが409GBってことは、システムが100GB弱。プレイ動画のドラレコとデータを100GBと見積もっても、1TBのHDDに交換したら、単純計算で、800GBが空き容量になる。一つのゲームで30GB分をコピーしたとしても、26タイトルを入れることが出来る。普通のゲーマなら、十分だろう。

他、PS4に関しての記事は、PS3から、PS4への移行に合わせて、ほぼフルスクラッチで書き直し中。

 PS4のHDDを交換するときに、USBメモリが必要になるので、無い人は忘れないように確保しておこう。4GB400MB( There must be 400 MB of free space. )でも良いらしいが、後に、他に使うコトを考えると、32GBくらいのを一つ買って置いてもいいかな? って、机の引き出しの肥やしになっているのが、2GBまでのが、たくさんあるので、それを使うか。
 
「PS4 HDD 換装はパソコン無しでも出来ますか?」→ できる。PS4単体でできる?。手順は、実機が来てから記事を書くここまでは、ブラウザが使えるけど、ダウンロードした(そもそも出来ない)ファイルをUSBメモリにコピーする術が無い。やっぱり、PCで、USBメモリを作るしかない。
 Amazonから、23日日曜日以降に届くはずなので、数日、PS4をノーマルのままで使い、それから、HDDは交換するつもりだ。いきなり交換しても良いんだろうけど、もし、初期不良なハズレを引いた場合、問題の切り分けが面倒なことになるからね。毎月、いろんなものを買って遊んでいるけど、初期不良のハズレも引くことって良くあるから。そういえば、iPadもだったしな。→ 見事に当たった!

PS4のHDD交換は極めて簡単。

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上のカバーをパカッっとはずして

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ネジを外す。
普通のプラスネジで良いよ。MacBook Proみたいにヘックスローブっていう特殊ネジじゃない。
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で、すっと引っ張れば、固定金具ごとHDDがとれる。

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あとは、HDDの固定しているネジを外して、HDDを交換。逆に戻していく。
万が一、ネジを紛失しても、PS3の時と同じで実費で買える。説明書に記載されているところへ連絡すれば良い。

PS4のスタンバイ(スリープ)からの復帰ができないバグがあるようだ。

 実は、PS4の発売日前から、既にSSHDはネット上では入手しにくいものになっていた。それを既に手に入れているとなると、ネットでの情報に敏感なユーザ層が、いち早くPS4を手に入れSSHDに交換して、ブログやTwitterで自慢したと考えるべきだ。

 ところが、そういう連中の誰もが、そもそも純正のHDDでも問題がでているのかどうか という問題の切り分けが出来ているとは考えにくく、おそらく、買う金やインターネット回線が無いなど理由でPS4を買えなくて、ねたましく思っている中学高校生がネガティブな情報として拡散しているのかもしれない。

現時点(2014年3月1日)で、ワシのPS4の換装用HDDについてのオススメは、

 SSHDの入手性の悪さ(価格上昇1万円→1万4千円)、1.5TBの価格の高騰(1万2千円→1万6千円)を踏まえ、純正の500GBのままで様子を見るもの良いだろう。
 ただ、HDD内に貯めるゲームソフトやプレイ動画などのデータを復帰させる手間を考えれば、1TB程度の増量にしておけば、たぶんHDD寿命、PS4本体の寿命、まで使えるかもしれない。だから、

5400rpmの1TBを推奨する。

 また、SSHDのスタンバイからの復帰ができない問題については、

  • Seagate のSSHD 1TB:ST1000LM014は海外で
  • TOSHIBAのSSHD 1TB:MQ01ABD100H は日本国内で
  • 純正のサムスン製のHDD 500GBでも
スタンバイからの復帰ができないという情報があることから、心配なら様子を見ると良い。

2014年4月30日 システムソフトウエアアップデート 1.70でも特に問題はない。前の1.62でも問題がおきていないので、SSHDもスタンバイからの復帰で不具合はなさそうだ。 

 ワシのように、トラブルもブログネタ的に美味しいと感じるユーザには、SSHDをお勧めする。
 そもそもSSHDは、MacBook での使用でも、スリープからの復帰で失敗することもあるという話をどこかで読んだし、Apple Inc.のMac OS Xは、物理的に異なるHDDとSSDをソフトウエア的に一つのボリュームとして認識させ、あたかもハイブリッドHDDのように、振る舞う仕組みを作っている。
 SSHDのPS4で、スタンバイからの復帰ができないのであれば、スタンバイさせずに付けっぱなしにすりゃいいじゃん。と言う使い方でもOKだ。
 今、付け替えてMQ01ABD100HのSSHDにしてみたが、今のところ、試しに数回やったスタンバイからの復帰はできる。体感速度は、録画した300MB程度のプレイ動画をトリミングするときに、読み込みが「おっ 速い」と感じる程度で、「気のせい」レベルだ。

 ストップウオッチを持って計測は、あまりにも不確実で公表できない。こんなやり方で速い遅いは、ワシのポリシーからして出来ない。

 キャプチャーした動画を比較しても、うーんの状態なので、また暇になったら、比較動画でも作ってみっぺ。 

 起動が速い遅いは、単純に起動して終了させてから、の再起動とかはSSD部分のキャッシュにあたるので速いんだけど、その差は数秒。そもそも、終了の条件によって起動が凄く速い時もあれば、さほどでも無いときもあるとか不確実すぎてワシ的には好きにしてくれってかんじ。